かつてオリンパスは,OLYMPUS OM1にはじまるOMシリーズという一眼レフカメラを発売していた。コンパクトなボディと高性能なレンズ群とが,市場では一定の評価を得ていた。しかし,その後に発売されたオートフォーカス一眼レフカメラOLYMPUS OM707はユーザにあまり受け入れられなかったようで,オートフォーカスの後継機が発売されることもなく,いつしかOMシリーズそのものが終了していた。 その後,オリンパスは,OLYMPUS L-1などのレンズ一体型オートフォーカス一眼レフカメラのシリーズを展開する。そのスタイルはディジタル一眼レフカメラにも取り入れられ,OLYMPUS C-1400Lは発売当時,一般向けディジタルカメラとして唯一の一眼レフ方式であるとともに,メガピクセル機(100万画素以上の画像として記録するディジタルカメラ)として比較的安価なものであることから,大いに話題になった。そして,コンパクトディジタルカメラも含めた一般向けディジタルカメラの市場において,オリンパスは目立つ存在となっていた。 一方で,1999年に発売されたNikon D1以後,ニコンやキヤノンのディジタル一眼レフカメラが,プロやマニアに注目されるようになった。また,2002年ころまでには,Canon EOS D60やNikon D100などの比較的低価格なモデルも投入され,従来のフィルムを使う一眼レフカメラの延長上として位置づけられる,ニコンやキヤノンのディジタル一眼レフカメラがさらに目立つようになってきた。
オリンパスは2003年10月に,フォーサーズシステムというあたらしい規格にもとづくディジタル一眼レフカメラOLYMPUS E-1を発売した。フォーサーズシステムは,共通規格として,オリンパスとコダックによって提唱された。4/3型の撮像素子を用いており,レンズマウントも共通規格が用意されている。 OLYMPUS E-300は,フォーサーズシステムのディジタル一眼レフカメラのエントリーモデルとして,OLYMPUS E-1の翌年に発売された。一般的な一眼レフカメラは,ペンタプリズムが上部に飛び出したスタイルをもつ。レンズを通った光は,ミラーによって上側にあるファインダースクリーンに導かれる。それに対してOLYMPUS E-300は,ミラーによって横にあるファインダースクリーンに光が導かれる。そのため,カメラ全体がフラットなスタイルとなり,独特の雰囲気を醸し出している。 フォーサーズシステムのディジタル一眼レフカメラの撮像素子は小さいが,レンズからの光が撮像素子の周辺部までできるだけ垂直にあたるような規格になっていることもあり,カメラ全体はさほどコンパクトなものにはならない。
OLYMPUS E-300は発売当時,800万画素という高画質でありながら比較的安価であったこと,発色なども含めた画質が高く評価されていた。しかしながら,フォーサーズシステムが主流になることはなく,いわゆるミラーレスカメラのマイクロフォーサーズシステムへ発展する形で,2010年代はじめころに市場から姿を消した。
撮像素子が小さなシステムであることから,全体としてコンパクトなディジタルカメラであることを期待するが,実際には劇的にコンパクトというわけでもない。性能を追及していることが影響しているのかもしれないが,レンズもコンパクトではない。APS-Cサイズ撮像素子のディジタル一眼レフカメラ用レンズと,大差のないものである。 OLYMPUS E-300の場合,ファインダーがレンズの上ではなく横にあることから,一眼レフカメラではなくビューファインダーカメラを覗いているような感覚になることもある。記録される画像の縦横比が3:4であるため,2:3のライカ判カメラにくらべて幅が狭く,撮像素子が小さいこともあわせて,ファインダーがとても狭く感じる点は,惜しいところである。また,OLYMPUS E-300のファインダーではピントの山がわかりにくく,ファインダーの中心がどこなのかもわかりにくい。個人的にはきわめて使いにくく感じるものである。このファインダーの使いにくさは,OLYMPUS C-1400Lと比較できるレベルだと思う。 横向きに動くミラーが,かつてのハーフサイズ一眼レフカメラOLYMPUS-PEN Fをほうふつとさせることから興味を抱いた。実際に撮影すると,すっきりした画像が得られるので,カメラ自体もレンズもどちらも素性がよいものと思うが,ファインダーの見苦しさがそれらのよさをスポイルするように感じられる点は,もったいないと思う。
かつてオリンパスは,OLYMPUS OM1にはじまるOMシリーズという一眼レフカメラを発売していた。コンパクトなボディと高性能なレンズ群とが,市場では一定の評価を得ていた。しかし,その後に発売されたオートフォーカス一眼レフカメラOLYMPUS OM707はユーザにあまり受け入れられなかったようで,オートフォーカスの後継機が発売されることもなく,いつしかOMシリーズそのものが終了していた。
その後,オリンパスは,OLYMPUS L-1などのレンズ一体型オートフォーカス一眼レフカメラのシリーズを展開する。そのスタイルはディジタル一眼レフカメラにも取り入れられ,OLYMPUS C-1400Lは発売当時,一般向けディジタルカメラとして唯一の一眼レフ方式であるとともに,メガピクセル機(100万画素以上の画像として記録するディジタルカメラ)として比較的安価なものであることから,大いに話題になった。そして,コンパクトディジタルカメラも含めた一般向けディジタルカメラの市場において,オリンパスは目立つ存在となっていた。
一方で,1999年に発売されたNikon D1以後,ニコンやキヤノンのディジタル一眼レフカメラが,プロやマニアに注目されるようになった。また,2002年ころまでには,Canon EOS D60やNikon D100などの比較的低価格なモデルも投入され,従来のフィルムを使う一眼レフカメラの延長上として位置づけられる,ニコンやキヤノンのディジタル一眼レフカメラがさらに目立つようになってきた。
オリンパスは2003年10月に,フォーサーズシステムというあたらしい規格にもとづくディジタル一眼レフカメラOLYMPUS E-1を発売した。フォーサーズシステムは,共通規格として,オリンパスとコダックによって提唱された。4/3型の撮像素子を用いており,レンズマウントも共通規格が用意されている。
OLYMPUS E-300は,フォーサーズシステムのディジタル一眼レフカメラのエントリーモデルとして,OLYMPUS E-1の翌年に発売された。一般的な一眼レフカメラは,ペンタプリズムが上部に飛び出したスタイルをもつ。レンズを通った光は,ミラーによって上側にあるファインダースクリーンに導かれる。それに対してOLYMPUS E-300は,ミラーによって横にあるファインダースクリーンに光が導かれる。そのため,カメラ全体がフラットなスタイルとなり,独特の雰囲気を醸し出している。
フォーサーズシステムのディジタル一眼レフカメラの撮像素子は小さいが,レンズからの光が撮像素子の周辺部までできるだけ垂直にあたるような規格になっていることもあり,カメラ全体はさほどコンパクトなものにはならない。
OLYMPUS E-300は発売当時,800万画素という高画質でありながら比較的安価であったこと,発色なども含めた画質が高く評価されていた。しかしながら,フォーサーズシステムが主流になることはなく,いわゆるミラーレスカメラのマイクロフォーサーズシステムへ発展する形で,2010年代はじめころに市場から姿を消した。
フルフレームトランスファ型CCD 原色フィルタ
撮像素子が小さなシステムであることから,全体としてコンパクトなディジタルカメラであることを期待するが,実際には劇的にコンパクトというわけでもない。性能を追及していることが影響しているのかもしれないが,レンズもコンパクトではない。APS-Cサイズ撮像素子のディジタル一眼レフカメラ用レンズと,大差のないものである。
OLYMPUS E-300の場合,ファインダーがレンズの上ではなく横にあることから,一眼レフカメラではなくビューファインダーカメラを覗いているような感覚になることもある。記録される画像の縦横比が3:4であるため,2:3のライカ判カメラにくらべて幅が狭く,撮像素子が小さいこともあわせて,ファインダーがとても狭く感じる点は,惜しいところである。また,OLYMPUS E-300のファインダーではピントの山がわかりにくく,ファインダーの中心がどこなのかもわかりにくい。個人的にはきわめて使いにくく感じるものである。このファインダーの使いにくさは,OLYMPUS C-1400Lと比較できるレベルだと思う。
横向きに動くミラーが,かつてのハーフサイズ一眼レフカメラOLYMPUS-PEN Fをほうふつとさせることから興味を抱いた。実際に撮影すると,すっきりした画像が得られるので,カメラ自体もレンズもどちらも素性がよいものと思うが,ファインダーの見苦しさがそれらのよさをスポイルするように感じられる点は,もったいないと思う。