EDレンズを採用したズームレンズ固定式の,35mm判AF一眼レフカメラである。 露出モードは,プログラムAE,絞り優先AE,マニュアルが選択可能となっており,機能的には十分である。測光方式は,TTL多分割測光,中央部重点測光,スポット測光が可能となっている。 レンズにピントリングはないが,レバー操作によりマニュアル調整も可能である。ただし,実用性は疑問である。AFでピントがあわないときの「非常用」と考えるべきだ。 そのほか,マクロモード,多重露出,バルブ撮影機能を搭載し,GN20 (ISO100)のツインフラッシュも内蔵している。レンズ交換ができないなど,拡張性は乏しいが,とくに拡張をしなくてもかなりの撮影領域をカバーできる便利な1台といえる。ただし,操作は背面の液晶パネルを見ながらボタン操作することになり,きわめて煩雑である。
とにかく,これだけでなんでもできる1台である。一般的な撮影であれば,これだけでほとんどの領域をカバーできるだろう。ところが,このカメラがカバーできない領域を撮影しようと思うと,たちまち困難に直面する。こういう点を見れば,このカメラの性格は,システム一眼レフカメラではなく,コンパクトカメラに近いものである。しかし,このカメラをコンパクトカメラとして考えると,大きさや重さが問題になってくる。「なんでもできる」ということは,かえって中途半端になってしまっているということだ。 このカメラに一眼レフカメラとしての性格を求めると,もっとも不満を感じる点は,ピントをマニュアル操作することが困難な点である。これも,中途半端な性格を強調することになる。 出張のときなど,このカメラが1台あればいろいろと撮影できるだろうと期待して入手したが,実際に持参してみると,大きいうえにその形がカバンなどへのおさまりがよくない。これは,この種のカメラとして大きな問題点になる。後のオリンパスL-10パノラマなどでは,レンズ鏡胴が2段式になったことで携帯時には多少コンパクトになったが,それでも厚みのあるボディは,カバンへのおさまりがよろしくない。
手軽に安心して使えるカメラであり,描写も一般的な使用においては問題ない。普及型のズームレンズとしては,むしろ優秀な部類になるだろう。しかし,大きいことやマニュアル操作が「できる」という程度では,これだけですべてをまかなうことはできない。拡張性も乏しく,やはり中途半端な性格のカメラであるといわざるを得ない。 オリンパスから発売されたレンズ交換が可能なAF一眼レフカメラ「OM707」も,マニュアル操作のほとんどできないカメラだった。「OM707」の後継になるOMシリーズのAF一眼レフカメラが登場しなかったのは,オリンパスのAF一眼レフカメラは「お気軽撮影」用のカメラとして,「OM707」から「L-1」に移行したということだ。Lシリーズはこの後,さらにコンパクトになった「L-10」なども登場する。
EDレンズを採用したズームレンズ固定式の,35mm判AF一眼レフカメラである。
露出モードは,プログラムAE,絞り優先AE,マニュアルが選択可能となっており,機能的には十分である。測光方式は,TTL多分割測光,中央部重点測光,スポット測光が可能となっている。
レンズにピントリングはないが,レバー操作によりマニュアル調整も可能である。ただし,実用性は疑問である。AFでピントがあわないときの「非常用」と考えるべきだ。
そのほか,マクロモード,多重露出,バルブ撮影機能を搭載し,GN20 (ISO100)のツインフラッシュも内蔵している。レンズ交換ができないなど,拡張性は乏しいが,とくに拡張をしなくてもかなりの撮影領域をカバーできる便利な1台といえる。ただし,操作は背面の液晶パネルを見ながらボタン操作することになり,きわめて煩雑である。
とにかく,これだけでなんでもできる1台である。一般的な撮影であれば,これだけでほとんどの領域をカバーできるだろう。ところが,このカメラがカバーできない領域を撮影しようと思うと,たちまち困難に直面する。こういう点を見れば,このカメラの性格は,システム一眼レフカメラではなく,コンパクトカメラに近いものである。しかし,このカメラをコンパクトカメラとして考えると,大きさや重さが問題になってくる。「なんでもできる」ということは,かえって中途半端になってしまっているということだ。
このカメラに一眼レフカメラとしての性格を求めると,もっとも不満を感じる点は,ピントをマニュアル操作することが困難な点である。これも,中途半端な性格を強調することになる。
出張のときなど,このカメラが1台あればいろいろと撮影できるだろうと期待して入手したが,実際に持参してみると,大きいうえにその形がカバンなどへのおさまりがよくない。これは,この種のカメラとして大きな問題点になる。後のオリンパスL-10パノラマなどでは,レンズ鏡胴が2段式になったことで携帯時には多少コンパクトになったが,それでも厚みのあるボディは,カバンへのおさまりがよろしくない。
OLYMPUS L-1, OLYMPUS LENS ED 35-135mm F4.5-5.6, C-PL filter, EB
OLYMPUS L-1, OLYMPUS LENS ED 35-135mm F4.5-5.6, EB
手軽に安心して使えるカメラであり,描写も一般的な使用においては問題ない。普及型のズームレンズとしては,むしろ優秀な部類になるだろう。しかし,大きいことやマニュアル操作が「できる」という程度では,これだけですべてをまかなうことはできない。拡張性も乏しく,やはり中途半端な性格のカメラであるといわざるを得ない。
オリンパスから発売されたレンズ交換が可能なAF一眼レフカメラ「OM707」も,マニュアル操作のほとんどできないカメラだった。「OM707」の後継になるOMシリーズのAF一眼レフカメラが登場しなかったのは,オリンパスのAF一眼レフカメラは「お気軽撮影」用のカメラとして,「OM707」から「L-1」に移行したということだ。Lシリーズはこの後,さらにコンパクトになった「L-10」なども登場する。