第7展示室

ディジタルカメラ

digital cameras

化学的変化による記録から電気信号による記録へ

 1980年代には,家庭用ビデオカメラの普及がはじまった。ビデオカメラの普及は,撮像素子の性能アップと価格低下によるものが大きい。これは,やがてスチルカメラにも利用されるようになった。しかし,「スチルビデオ」とよばれた当時の製品は,とても「普及した」といえる状況にはならなかった。
 1990年代後半になって,高性能パーソナルコンピュータの普及に伴い,パーソナルコンピュータに画像を入力する装置の1つとして,低価格の電子スチルカメラが登場した。これが,「ディジタルカメラ」として一気に普及したのである。
 100万画素や200万画素程度では,まだまだフィルムを使った写真のクォリティの足元にも及ばないし,画像を受け取る撮像素子の絶対的面積が小さいために,レンズの性能も35mm判フィルムを使うときのようには表現されない。また,内部の画像処理プログラムによって,できあがる画像はいかようにも変わってくる。このようにいろいろな問題を抱え,画質云々を語ることがナンセンスなレベルに過ぎなかったディジタルカメラも,急激に性能をあげ,一部の高級機は,報道分野を中心に,着実に「プロ」の仕事の道具として広がっていった。
 2000年代はじめには,低価格の一眼レフタイプのディジタルカメラが発売されて爆発的な人気となり,確実に道具として定着したといえるだろう。そして,ディジタルカメラの出荷はフィルムカメラの出荷を上回るようになり,2010年代半ばには,フィルムカメラはごく限られた機種だけが発売されているという状況になった。

化学変化の時代からディジタルデータの時代へ

 フィルムを使うカメラとは,基本的に「異なる」製品として独自に発展してきたディジタルカメラも,基本性能の向上にともない,映像ツールとしてのクォリティを語るようになった。そして,2007年をさいごに,「一般社団法人 カメラ映像機器工業会」が公表するデータから,「銀塩カメラ」の項目が消えた。

(1) レンズ交換式ディジタルカメラ

interchangeable-lens digital cameras


(2) レンズ固定式ディジタルカメラ

fixed-lens digital cameras


(3) スチルビデオカメラ

still video cameras


(4) その他のディジタルカメラ

others digital cameras


(5) レンズ交換式ディジタルカメラ専用交換レンズ

objectives for digital cameras