「OMシリーズ」は,オリンパスから発売された,35mm判一眼レフカメラである。これ以前にもオリンパスからは,「オリンパス PEN-F」(1963年発売)や,「オリンパスFTL」(1971年発売)などの一眼レフカメラが発売されていた。しかし,ペンFシリーズはハーフサイズのため画質面でハンディキャップがあり,オリンパスFTLはTTL開放測光を実現したとはいえ,基本的にはM42マウントを採用した古いタイプのカメラであった。すなわち「OMシリーズ」こそは,オリンパスとしてはじめての本格的なシステム一眼レフカメラということができる。 「OMシリーズ」は,「(サイズが)大きい,重い,音・ショックが大きい」を「一眼レフの三大欠陥」として,これらの解消をめざした製品だった。その結果として,たいへんコンパクトで軽量な,そして軽快に動作するカメラにしあがった。「OM-1」は,「OMシリーズ」最初のモデルで,機械式制御の横走り布幕シャッターを採用しTTL露出計を内蔵した,基本に忠実なカメラといえる。なお,当初は「M-1」という名称で1973年に発売されたがライツ社からの申し入れにより名称を「OM-1」に変更したとのことである。日本カメラショーの「カメラ総合カタログvol.46」(1973年3月発行)には「M-1」として掲載されていたが,翌年の「カメラ総合カタログ vol.50」(1974年5月発行)では「OM-1」に変更されている。そのため「M-1」という名称のままのカメラは流通している数が少なく,レアものとして取り引きされることもある。カメラとしては,「M-1」も「OM-1」も,基本的に同じものだ。 「OM-1」の特徴の1つに,シャッター速度ダイアルが,レンズマウント部にあることがあげられる。フォーカルプレンシャッターの一眼レフカメラでこのような位置にシャッター速度ダイアルが配置されているのは,ニコマートFTやOM-1など,例は少ない。横走りシャッターに限定すれば,OMシリーズだけである。OM-1がシャッター速度ダイアルをこの位置に配置したのは,カメラをコンパクトにするためだったとのこと。なお,ニコマートの場合は縦走りシャッターのユニットととの連携の都合のためであり,背景の事情は異なる。このような位置にシャッター速度ダイアルを配置するのは,トプコンuniのようなレンズシャッター式一眼レフカメラでは一般的なことだった。「OM-1」がシャッター速度ダイアルをこの位置に配置することに対しては,「レンズシャッターカメラのように安物に思われる」という懸念もあったという。 「OM-1」には,いくつかのバリエーションがある。初期のボディでモータードライブを利用するためには,底カバーを交換(有償)する必要があった。また,1979年には専用フラッシュとの連動接点を組みこんだ「New OM-1」にモデルチェンジされている。 コンパクトなボディにあわせてレンズもコンパクトにつくられており,多くのレンズのフィルタ径は49mmになっている。
コンパクトで軽いことは,小型カメラとしてたいへん重要な特徴であるといえる。軽いとはいえ,安っぽさはなく,安心して使うことができる。シャッター速度ダイアルの位置に違和感を感じる人があるかもしれないが,慣れてしまえばこの位置にあることがむしろ合理的に思えてくる。 操作面で合理性を感じなかったのは,露出計のスイッチだ。スイッチは,巻き戻しクランクそばにある。露出計のスイッチをひんぱんにON/OFFするには,その操作がたいへんわずらわしい。ただ,基準となる露出を求めておき,以後は光線の変化に応じて補正をしていくという撮り方を想定しているとすれば,これでいいのかもしれない。 オリンパスOM-1の欠点として指摘されているのは,古くなるとプリズムが腐食しやすいということだ。プリズムを固定するのにモルトプレンが使われており,古くなるとこれが分解され,プリズムを腐食させるという。プリズムが腐食すると,ファインダーの視野に黒いスジが見えるようになり,たいへん使いにくいものになってしまう。中古品の購入時には,必ずチェックするべきポイントとなっている。
「OMシリーズ」は,オリンパスから発売された,35mm判一眼レフカメラである。これ以前にもオリンパスからは,「オリンパス PEN-F」(1963年発売)や,「オリンパスFTL」(1971年発売)などの一眼レフカメラが発売されていた。しかし,ペンFシリーズはハーフサイズのため画質面でハンディキャップがあり,オリンパスFTLはTTL開放測光を実現したとはいえ,基本的にはM42マウントを採用した古いタイプのカメラであった。すなわち「OMシリーズ」こそは,オリンパスとしてはじめての本格的なシステム一眼レフカメラということができる。
「OMシリーズ」は,「(サイズが)大きい,重い,音・ショックが大きい」を「一眼レフの三大欠陥」として,これらの解消をめざした製品だった。その結果として,たいへんコンパクトで軽量な,そして軽快に動作するカメラにしあがった。「OM-1」は,「OMシリーズ」最初のモデルで,機械式制御の横走り布幕シャッターを採用しTTL露出計を内蔵した,基本に忠実なカメラといえる。なお,当初は「M-1」という名称で1973年に発売されたがライツ社からの申し入れにより名称を「OM-1」に変更したとのことである。日本カメラショーの「カメラ総合カタログvol.46」(1973年3月発行)には「M-1」として掲載されていたが,翌年の「カメラ総合カタログ vol.50」(1974年5月発行)では「OM-1」に変更されている。そのため「M-1」という名称のままのカメラは流通している数が少なく,レアものとして取り引きされることもある。カメラとしては,「M-1」も「OM-1」も,基本的に同じものだ。
「OM-1」の特徴の1つに,シャッター速度ダイアルが,レンズマウント部にあることがあげられる。フォーカルプレンシャッターの一眼レフカメラでこのような位置にシャッター速度ダイアルが配置されているのは,ニコマートFTやOM-1など,例は少ない。横走りシャッターに限定すれば,OMシリーズだけである。OM-1がシャッター速度ダイアルをこの位置に配置したのは,カメラをコンパクトにするためだったとのこと。なお,ニコマートの場合は縦走りシャッターのユニットととの連携の都合のためであり,背景の事情は異なる。このような位置にシャッター速度ダイアルを配置するのは,トプコンuniのようなレンズシャッター式一眼レフカメラでは一般的なことだった。「OM-1」がシャッター速度ダイアルをこの位置に配置することに対しては,「レンズシャッターカメラのように安物に思われる」という懸念もあったという。
「OM-1」には,いくつかのバリエーションがある。初期のボディでモータードライブを利用するためには,底カバーを交換(有償)する必要があった。また,1979年には専用フラッシュとの連動接点を組みこんだ「New OM-1」にモデルチェンジされている。
コンパクトなボディにあわせてレンズもコンパクトにつくられており,多くのレンズのフィルタ径は49mmになっている。
コンパクトで軽いことは,小型カメラとしてたいへん重要な特徴であるといえる。軽いとはいえ,安っぽさはなく,安心して使うことができる。シャッター速度ダイアルの位置に違和感を感じる人があるかもしれないが,慣れてしまえばこの位置にあることがむしろ合理的に思えてくる。
操作面で合理性を感じなかったのは,露出計のスイッチだ。スイッチは,巻き戻しクランクそばにある。露出計のスイッチをひんぱんにON/OFFするには,その操作がたいへんわずらわしい。ただ,基準となる露出を求めておき,以後は光線の変化に応じて補正をしていくという撮り方を想定しているとすれば,これでいいのかもしれない。
オリンパスOM-1の欠点として指摘されているのは,古くなるとプリズムが腐食しやすいということだ。プリズムを固定するのにモルトプレンが使われており,古くなるとこれが分解され,プリズムを腐食させるという。プリズムが腐食すると,ファインダーの視野に黒いスジが見えるようになり,たいへん使いにくいものになってしまう。中古品の購入時には,必ずチェックするべきポイントとなっている。