レンズ交換式のAF一眼レフカメラとして,はじめてフラッシュを内蔵したカメラである。フラッシュはグリップ部に内蔵されており,フラッシュのないグリップとの交換も可能である。フラッシュを内蔵したグリップは,幅があり,これを装着すると,たいへん横長のカメラになってしまう。やや不恰好になってしまうが,前面に設けられたシャッターレリーズボタンの位置とあわせて,たいへん握りやすく,シャッターを切りやすいものになっている。 オリンパスとして,はじめてのレンズ交換式AF一眼レフカメラであり,OMシリーズが終了した現在となっては,OMマウントで唯一のAF一眼レフカメラとなってしまった。AFレンズを装着した場合,露出モードはプログラムAE専用となる。プログラムシフトは可能だが,露出補正もなく,使える場面は限られたものになるだろう。また,レンズにはピントリングもない。よくいえば「たいへんシンプルなカメラ」,悪くいえば「なにもできないカメラ」といえる。 レンズマウントは,OMマウントと互換性があり,ほとんどのOMレンズを使用できることになっている。マニュアルフォーカスのOMマウントレンズを装着した場合は,絞り優先AE専用となり,もちろんマニュアルフォーカスになる。ファインダーは明快で見やすく,少々ボディが大がらなことを除けば,使いやすい状態のカメラになる。ただし,このときファインダー内にはなんの情報も表示されないため,結局,「使いにくいカメラ」ということになる点が惜しい。また,OM707用のオートフォーカスレンズは,マニュアルフォーカスのOMボディに装着できないようになっている(OLYMPUS AF 35-70mm F3.5-4.5を参照)。 電池はグリップ部に入れるようになっている。電池ボックスの蓋が破損しやすいようで,このカメラは,そこが壊れた状態で,ジャンク品として格安で売られているのをよく見かける。ここに紹介したものも,そういう状態のものを買ってきたものであるが,電池さえいれることができれば,ちゃんと撮影が可能であった。
とにかく,なにもできないカメラである。一眼レフカメラの魅力の1つに,多彩な交換レンズが利用できるというものがある。AFレンズのラインアップはそれほどでもないが,旧来のマニュアルフォーカスのOMレンズが使用できるため,交換レンズの面では十分なものがあるといえる。 しかし,一眼レフカメラの魅力はそれだけではない。微妙なピントや露出をコントロールできることも,このクラスのカメラの魅力だ。ところがOM707では,そのような撮影に対応するのは,きわめて困難である。とくに,AFレンズを使用するときのピント調整がいただけない。レンズにピントリングはなく,マニュアルフォーカスで使用するにはカメラ背面にあるレバーを使って,電動でピントリングを動かすことになる。これは「パワーフォーカス」(PF)と称している。この機構では微妙な調整は困難であり,AFがうまくはたらかないときに「やむをえず」使用する機構であるといえる。マニュアルフォーカスのOMレンズを使うときは,旧来のOMシリーズカメラと同様のピント調整が可能になるが,このときにはファインダー内に情報が表示されずシャッター速度がわからない。 露出の面でも,不便がある。AFレンズであれば,プログラムAE専用となる。ファインダー内には絞り値やシャッター速度が表示され,プログラムシフト機能も活用できる。マニュアルフォーカスのOMレンズであれば,絞り優先AEとなり,絞りを自由に選ぶことが容易になるが,シャッター速度がファインダー内に表示されず,実用性が低いものになる。 結局,「お手軽なスナップ撮影」には適しているが,少し凝った撮影には対応できないカメラなのである。レンズの性能はよいので,コンパクトカメラよりは高品位なスナップ写真が得られるわけだが,お気軽な撮影用とするには価格も高く,大きく重いのである。このシリーズにあとが続かず,ズームレンズ固定式の「オリンパスL-1」などの「Lシリーズ」に移行したのも,カメラの用途を考えれば自然な流れであっただろう。もっとも,その「Lシリーズ」も,中途半端な性格の目立つカメラであったわけだが。
レンズ交換式のAF一眼レフカメラとして,はじめてフラッシュを内蔵したカメラである。フラッシュはグリップ部に内蔵されており,フラッシュのないグリップとの交換も可能である。フラッシュを内蔵したグリップは,幅があり,これを装着すると,たいへん横長のカメラになってしまう。やや不恰好になってしまうが,前面に設けられたシャッターレリーズボタンの位置とあわせて,たいへん握りやすく,シャッターを切りやすいものになっている。
オリンパスとして,はじめてのレンズ交換式AF一眼レフカメラであり,OMシリーズが終了した現在となっては,OMマウントで唯一のAF一眼レフカメラとなってしまった。AFレンズを装着した場合,露出モードはプログラムAE専用となる。プログラムシフトは可能だが,露出補正もなく,使える場面は限られたものになるだろう。また,レンズにはピントリングもない。よくいえば「たいへんシンプルなカメラ」,悪くいえば「なにもできないカメラ」といえる。
レンズマウントは,OMマウントと互換性があり,ほとんどのOMレンズを使用できることになっている。マニュアルフォーカスのOMマウントレンズを装着した場合は,絞り優先AE専用となり,もちろんマニュアルフォーカスになる。ファインダーは明快で見やすく,少々ボディが大がらなことを除けば,使いやすい状態のカメラになる。ただし,このときファインダー内にはなんの情報も表示されないため,結局,「使いにくいカメラ」ということになる点が惜しい。また,OM707用のオートフォーカスレンズは,マニュアルフォーカスのOMボディに装着できないようになっている(OLYMPUS AF 35-70mm F3.5-4.5を参照)。
電池はグリップ部に入れるようになっている。電池ボックスの蓋が破損しやすいようで,このカメラは,そこが壊れた状態で,ジャンク品として格安で売られているのをよく見かける。ここに紹介したものも,そういう状態のものを買ってきたものであるが,電池さえいれることができれば,ちゃんと撮影が可能であった。
とにかく,なにもできないカメラである。一眼レフカメラの魅力の1つに,多彩な交換レンズが利用できるというものがある。AFレンズのラインアップはそれほどでもないが,旧来のマニュアルフォーカスのOMレンズが使用できるため,交換レンズの面では十分なものがあるといえる。
しかし,一眼レフカメラの魅力はそれだけではない。微妙なピントや露出をコントロールできることも,このクラスのカメラの魅力だ。ところがOM707では,そのような撮影に対応するのは,きわめて困難である。とくに,AFレンズを使用するときのピント調整がいただけない。レンズにピントリングはなく,マニュアルフォーカスで使用するにはカメラ背面にあるレバーを使って,電動でピントリングを動かすことになる。これは「パワーフォーカス」(PF)と称している。この機構では微妙な調整は困難であり,AFがうまくはたらかないときに「やむをえず」使用する機構であるといえる。マニュアルフォーカスのOMレンズを使うときは,旧来のOMシリーズカメラと同様のピント調整が可能になるが,このときにはファインダー内に情報が表示されずシャッター速度がわからない。
露出の面でも,不便がある。AFレンズであれば,プログラムAE専用となる。ファインダー内には絞り値やシャッター速度が表示され,プログラムシフト機能も活用できる。マニュアルフォーカスのOMレンズであれば,絞り優先AEとなり,絞りを自由に選ぶことが容易になるが,シャッター速度がファインダー内に表示されず,実用性が低いものになる。
結局,「お手軽なスナップ撮影」には適しているが,少し凝った撮影には対応できないカメラなのである。レンズの性能はよいので,コンパクトカメラよりは高品位なスナップ写真が得られるわけだが,お気軽な撮影用とするには価格も高く,大きく重いのである。このシリーズにあとが続かず,ズームレンズ固定式の「オリンパスL-1」などの「Lシリーズ」に移行したのも,カメラの用途を考えれば自然な流れであっただろう。もっとも,その「Lシリーズ」も,中途半端な性格の目立つカメラであったわけだが。