リコーがはじめて発売したディジタルカメラは,1995年のRICOH DC-1で(*1),撮像素子の画素数は41万画素のものだった。そして翌(1996)年には,RICOH DC-2が発売される。液晶モニタを一体化することができ,ノートパソコンのように液晶モニタを開いて,そこに映し出される映像を見ながら撮影ができるようにもなっていた。これは,フィルムを使うカメラでは考えられない,斬新なスタイルのものである。なお,撮像素子は41万画素のものであった。 RICOH DC-3は,DC-2と同じように液晶モニタを開いて使うディジタルカメラの低価格モデルとして1997年7月に発売された。RICOH DC-3は,ライカ判で38mmレンズに相当する単焦点レンズを搭載し,基本は固定焦点だが1cm〜60cmまでの接写ではマニュアルフォーカスになるというものだった。撮像素子は,35万画素のものである。 RICOH DC-3が発売されてまもなくの1997年11月には,大幅に機能を強化したRICOH DC-3Zが発売されている。また,カラーバリエーションとして,RICOH DC-3Gも発売されている。
RICOH DC-3で特筆されるものは,最短撮影距離がレンズから約1cmの接写機能である。0.6m〜∞の範囲は固定焦点であるが,レンズ上部にあるダイアルを動かすことで,1cm〜0.6mの範囲をマニュアルフォーカスでピント調整できる。LCDを見ながらの撮影となるので,ピントや構図を確認しやくす,そういう面でも接写能力が高いといえるだろう。接写をおこなった後,いちどLCDを閉じて電源を切ると,もとの固定焦点撮影位置に戻るようになっていることも,使い勝手に工夫された面である。30万画素クラスで内蔵メモリのみという低スペックながら,この接写機能だけは,現在でも実用的であり,特筆されるべき点だ。
この当時だと,撮影レンズとファインダーが別になっているコンパクトカメラに対して,一眼レフカメラにはフィルムに写る画像とほぼ同じ画像をファインダーで確認できるのというメリットがあった。しかし,このRICOH DC-3のように,液晶モニタをファインダーがわりにできるならカメラが一眼レフ形式である必要はない。構図やピントをきちんと確認した撮影ができるということを実感する。ただしこの当時のデジタルカメラでは,液晶モニタをずっとONにしていると猛烈に電池を消耗し,被写体の動きに液晶モニタの表示がおいつかないという問題もあって,やはり一眼レフタイプが有利であるとされていた。また,日中の明るいところでは,液晶モニタの画像がとても見にくくなるという問題もあった。
RICOH DC-3は,スマートメディアやコンパクトフラッシュなどのメモリカードに対応していない。撮影した画像は,内蔵メモリにのみ記録される。USB接続にも対応しておらず,撮影した画像をパーソナルコンピュータに転送するには,専用のシリアルケーブルでコンピュータのシリアル端子(RS-232C)とを接続し,専用のソフトウェアで読み出す必要がある。
カメラには,フラッシュが内蔵されている。ただし,レンズ上部のダイアルをまわして接写モードにすると,フラッシュをONにすることができない。ここにはちょっとした裏技があり,まず通常の状態でフラッシュをONにしてシャッターレリーズボタンを半押しにする。その状態を維持したまま,ダイアルをまわして接写モードにした場合には,レリーズ時にフラッシュが発光する。ただし,被写体が近すぎるので,フラッシュ光が被写体全体にうまくまわりこまない。その場合,ワイヤレス同調できるフラッシュを併用することで,フラッシュを使用した接写ができることになる。
*1 →https://jp.ricoh.com/company/history/1985/index.html
リコーがはじめて発売したディジタルカメラは,1995年のRICOH DC-1で(*1),撮像素子の画素数は41万画素のものだった。そして翌(1996)年には,RICOH DC-2が発売される。液晶モニタを一体化することができ,ノートパソコンのように液晶モニタを開いて,そこに映し出される映像を見ながら撮影ができるようにもなっていた。これは,フィルムを使うカメラでは考えられない,斬新なスタイルのものである。なお,撮像素子は41万画素のものであった。
RICOH DC-3は,DC-2と同じように液晶モニタを開いて使うディジタルカメラの低価格モデルとして1997年7月に発売された。RICOH DC-3は,ライカ判で38mmレンズに相当する単焦点レンズを搭載し,基本は固定焦点だが1cm〜60cmまでの接写ではマニュアルフォーカスになるというものだった。撮像素子は,35万画素のものである。
RICOH DC-3が発売されてまもなくの1997年11月には,大幅に機能を強化したRICOH DC-3Zが発売されている。また,カラーバリエーションとして,RICOH DC-3Gも発売されている。
接写:1cm〜60cm(マニュアルフォーカス)
RICOH DC-3で特筆されるものは,最短撮影距離がレンズから約1cmの接写機能である。0.6m〜∞の範囲は固定焦点であるが,レンズ上部にあるダイアルを動かすことで,1cm〜0.6mの範囲をマニュアルフォーカスでピント調整できる。LCDを見ながらの撮影となるので,ピントや構図を確認しやくす,そういう面でも接写能力が高いといえるだろう。接写をおこなった後,いちどLCDを閉じて電源を切ると,もとの固定焦点撮影位置に戻るようになっていることも,使い勝手に工夫された面である。30万画素クラスで内蔵メモリのみという低スペックながら,この接写機能だけは,現在でも実用的であり,特筆されるべき点だ。
RICOH DC-3
この当時だと,撮影レンズとファインダーが別になっているコンパクトカメラに対して,一眼レフカメラにはフィルムに写る画像とほぼ同じ画像をファインダーで確認できるのというメリットがあった。しかし,このRICOH DC-3のように,液晶モニタをファインダーがわりにできるならカメラが一眼レフ形式である必要はない。構図やピントをきちんと確認した撮影ができるということを実感する。ただしこの当時のデジタルカメラでは,液晶モニタをずっとONにしていると猛烈に電池を消耗し,被写体の動きに液晶モニタの表示がおいつかないという問題もあって,やはり一眼レフタイプが有利であるとされていた。また,日中の明るいところでは,液晶モニタの画像がとても見にくくなるという問題もあった。
RICOH DC-3
RICOH DC-3は,スマートメディアやコンパクトフラッシュなどのメモリカードに対応していない。撮影した画像は,内蔵メモリにのみ記録される。USB接続にも対応しておらず,撮影した画像をパーソナルコンピュータに転送するには,専用のシリアルケーブルでコンピュータのシリアル端子(RS-232C)とを接続し,専用のソフトウェアで読み出す必要がある。
RICOH DC-3
カメラには,フラッシュが内蔵されている。ただし,レンズ上部のダイアルをまわして接写モードにすると,フラッシュをONにすることができない。ここにはちょっとした裏技があり,まず通常の状態でフラッシュをONにしてシャッターレリーズボタンを半押しにする。その状態を維持したまま,ダイアルをまわして接写モードにした場合には,レリーズ時にフラッシュが発光する。ただし,被写体が近すぎるので,フラッシュ光が被写体全体にうまくまわりこまない。その場合,ワイヤレス同調できるフラッシュを併用することで,フラッシュを使用した接写ができることになる。
RICOH DC-3
*1 →https://jp.ricoh.com/company/history/1985/index.html