APSの一眼レフカメラとして,ニコンから発売された2機種のうちの1つである。 レンズマウントはFマウントなので,ニコンのライカ判一眼レフカメラ用のレンズを利用できる。ただし,Ai方式用の連動ピンをもたないので,マニュアルフォーカス用のレンズを使用したときには露出計が動作しない。 PRONEAシリーズ専用のレンズとして,APSのフォーマットにあわせたコンパクトなレンズ,IX-NIKKORシリーズが用意された。IX-NIKKORには絞りリングがなく,ボディに設けられた2つのダイアルで,それぞれシャッター速度と絞りの値を設定することになる。このようなボディに設けられた2ダイアル式のユーザインタフェースは,ニコンでは1987年6月に発売されたNikon F-401ですでに導入されていた。2つのダイアルの配置がカメラを握ったときに自然に右手のひとさし指とおや指の位置にくるように,前面グリップ部上部と背面上部に配置されたのは,ニコンでは1995年2月に発売されたデジタル一眼レフカメラ Nikon E2(同型のカメラが,富士フイルムからもFUJIX DS-505として発売された。1996年9月発売のFUJIX DS-505Aは,その後継機)に続くものとなる。同様な2ダイアル式のユーザインタフェースを採用したフィルムの一眼レフカメラとしては,このカメラがはじめてとなる。以後,ニコンでは,フィルムの一眼レフカメラでもデジタル一眼レフカメラでも,このようなユーザインタフェースが標準的なものになっていく。
カメラを上から眺めると,おにぎりのような,ころころとした三角形をイメージする形をしていることがわかる。これは,イハゲーのExaにも似た雰囲気が感じられる。IX240フィルムを使うことで,左右の幅を短くデザインできたということだろうか。ボディの色が黒ではなくグレーであることも含めて,地味だがかわいらしい印象を受ける。 この時期の一眼レフカメラであれば,各種の設定状態などの情報を示す液晶ディスプレイが上面に設けられている例が多い。しかし,このカメラでは,その液晶ディスプレイは背面に設けられている。135フィルムを使うカメラでここに液晶ディスプレイを設けると,本体とのあいだをフレキ配線でつなぐことになる。裏蓋を開閉するたびにそこに負担がかかって断線につながる懸念があるが,Nikon PRONEA 600iでは135フィルムを使うカメラとは異なり裏蓋を開けることがないので,安心してここに配置できたのであろう。これも,ころころとした三角形のフォルムを実現することに貢献していると考えられる。
カメラの性能としては,フルオートの一眼レフカメラとして中級モデルくらいに相当すると考えられる。この時代のニコンのラインアップとしては,Nikon F70に相当することになるだろうか。ただし,F70とは違って,AF-Sレンズには対応していない。 Nikon F70は,独特なユーザインタフェースによって評価が大きくわかれているようだ。もし,Nikon PRONEA 600iと同等なユーザインタフェースをもっていたならば,完成度の高い中級機として,高く評価されていただろう。逆に,もしPRONEA 600iがNikon F70と同等のユーザインタフェースであったならば,どうだっただろうか。
APSの一眼レフカメラとして,ニコンから発売された2機種のうちの1つである。
レンズマウントはFマウントなので,ニコンのライカ判一眼レフカメラ用のレンズを利用できる。ただし,Ai方式用の連動ピンをもたないので,マニュアルフォーカス用のレンズを使用したときには露出計が動作しない。
PRONEAシリーズ専用のレンズとして,APSのフォーマットにあわせたコンパクトなレンズ,IX-NIKKORシリーズが用意された。IX-NIKKORには絞りリングがなく,ボディに設けられた2つのダイアルで,それぞれシャッター速度と絞りの値を設定することになる。このようなボディに設けられた2ダイアル式のユーザインタフェースは,ニコンでは1987年6月に発売されたNikon F-401ですでに導入されていた。2つのダイアルの配置がカメラを握ったときに自然に右手のひとさし指とおや指の位置にくるように,前面グリップ部上部と背面上部に配置されたのは,ニコンでは1995年2月に発売されたデジタル一眼レフカメラ Nikon E2(同型のカメラが,富士フイルムからもFUJIX DS-505として発売された。1996年9月発売のFUJIX DS-505Aは,その後継機)に続くものとなる。同様な2ダイアル式のユーザインタフェースを採用したフィルムの一眼レフカメラとしては,このカメラがはじめてとなる。以後,ニコンでは,フィルムの一眼レフカメラでもデジタル一眼レフカメラでも,このようなユーザインタフェースが標準的なものになっていく。
カメラを上から眺めると,おにぎりのような,ころころとした三角形をイメージする形をしていることがわかる。これは,イハゲーのExaにも似た雰囲気が感じられる。IX240フィルムを使うことで,左右の幅を短くデザインできたということだろうか。ボディの色が黒ではなくグレーであることも含めて,地味だがかわいらしい印象を受ける。
この時期の一眼レフカメラであれば,各種の設定状態などの情報を示す液晶ディスプレイが上面に設けられている例が多い。しかし,このカメラでは,その液晶ディスプレイは背面に設けられている。135フィルムを使うカメラでここに液晶ディスプレイを設けると,本体とのあいだをフレキ配線でつなぐことになる。裏蓋を開閉するたびにそこに負担がかかって断線につながる懸念があるが,Nikon PRONEA 600iでは135フィルムを使うカメラとは異なり裏蓋を開けることがないので,安心してここに配置できたのであろう。これも,ころころとした三角形のフォルムを実現することに貢献していると考えられる。
カメラの性能としては,フルオートの一眼レフカメラとして中級モデルくらいに相当すると考えられる。この時代のニコンのラインアップとしては,Nikon F70に相当することになるだろうか。ただし,F70とは違って,AF-Sレンズには対応していない。
Nikon F70は,独特なユーザインタフェースによって評価が大きくわかれているようだ。もし,Nikon PRONEA 600iと同等なユーザインタフェースをもっていたならば,完成度の高い中級機として,高く評価されていただろう。逆に,もしPRONEA 600iがNikon F70と同等のユーザインタフェースであったならば,どうだっただろうか。