多くの小型カメラは,基本的に初期のライカのスタイルを引き継いでいると言うことができる。それは,横長のスタイルをもち,カメラに向かって左側(カメラを構えたときの右手側)に巻き上げのためのレバー(あるいはノブなど)と,シャッターレリーズのためのボタンとを備えている。それが,カメラを使って撮影するときに合理的なスタイルだった,ということだろう。 その後,昭和30年代にハーフサイズカメラが流行したときには,それまでのカメラのスタイルにしばられないキヤノン「ダイアル35」のような斬新なデザインのカメラが登場している。フィルムを横に送るとき,ハーフサイズだと画面が縦位置になる。画面が横位置になるようにフィルムを縦に送るようにしたものと考えられるが,結果として,ライカ以来のカメラっぽいスタイルを脱することになった。 しかし,ハーフサイズカメラの流行が下火になるとともに,カメラの基本的なスタイルはもとにもどっていった。
カシオ「QV-10」によって,ディジタルカメラが一般に広く認知されるようになった。それにつづいて各社から,さまざまなタイプのディジタルカメラが発売された。ディジタルカメラには,フィルムというものによるスタイルの制約がない。そのため,それまでのカメラにはない,さまざまなスタイルのものが発売されている。CASIO QV-10も,そういう意味では特異なスタイルをしている。撮影レンズがカメラに向かって右端に位置しているのは,巻き戻し軸と巻き取り軸とが必要な,ロールフィルムを使うカメラでは考えにくいスタイルだ。光学ファインダーを必要としないこともあって,レンズ部が回転するようにもなっている。 一方でオリンパスは,従来のカメラと同じようなスタイルにすることで,使い慣れたユーザインタフェースを重視していたことになる。 富士フイルムは,1998年に発売されたFinePix 700で,縦長のデザインを市場に提案してきた。それを搭載レンズをズームレンズにしたものが,このFinePix 1700Zである。背面には撮影した画像を確認するカラー液晶モニタのほか,撮影モードなどを表示する小さな液晶ディスプレイもあり,さらに光学ファインダーも備える。撮像素子の画素数が150万画素というのは少々物足りなく感じるが,当時のコンパクトディジタルカメラとしてはトップレベルの仕様である。
フジは,ディジタルカメラの初期からさまざまな製品を市場に送り出してきた。ごく初期の製品は「フジックス」シリーズを名乗り,FUJIX DS-505Aのようなレンズ交換式一眼レフカメラも含まれていた。どちらかといえば業務用とされる機種が中心だった「フジックス」シリーズに対して,CLIP-IT DS-10sなどの「クリップイット」シリーズは,廉価で簡便な機種が中心だった。 1998年以後,フジから発売されるディジタルカメラは,「ファインピクス」シリーズとなった。さいしょの「ファインピクス」であるFUJI FinePix 700は,1998年3月に発売された。撮像素子は150万画素で金属外装をまとった縦型のデザインは,従来のフィルムを使うカメラとは一線を画するものであった。 FUJI FinePix 1700Zは,3倍ズームレンズを搭載したモデルで,縦型デザインを引き継いでいる。
多くの小型カメラは,基本的に初期のライカのスタイルを引き継いでいると言うことができる。それは,横長のスタイルをもち,カメラに向かって左側(カメラを構えたときの右手側)に巻き上げのためのレバー(あるいはノブなど)と,シャッターレリーズのためのボタンとを備えている。それが,カメラを使って撮影するときに合理的なスタイルだった,ということだろう。
その後,昭和30年代にハーフサイズカメラが流行したときには,それまでのカメラのスタイルにしばられないキヤノン「ダイアル35」のような斬新なデザインのカメラが登場している。フィルムを横に送るとき,ハーフサイズだと画面が縦位置になる。画面が横位置になるようにフィルムを縦に送るようにしたものと考えられるが,結果として,ライカ以来のカメラっぽいスタイルを脱することになった。
しかし,ハーフサイズカメラの流行が下火になるとともに,カメラの基本的なスタイルはもとにもどっていった。
カシオ「QV-10」によって,ディジタルカメラが一般に広く認知されるようになった。それにつづいて各社から,さまざまなタイプのディジタルカメラが発売された。ディジタルカメラには,フィルムというものによるスタイルの制約がない。そのため,それまでのカメラにはない,さまざまなスタイルのものが発売されている。CASIO QV-10も,そういう意味では特異なスタイルをしている。撮影レンズがカメラに向かって右端に位置しているのは,巻き戻し軸と巻き取り軸とが必要な,ロールフィルムを使うカメラでは考えにくいスタイルだ。光学ファインダーを必要としないこともあって,レンズ部が回転するようにもなっている。
一方でオリンパスは,従来のカメラと同じようなスタイルにすることで,使い慣れたユーザインタフェースを重視していたことになる。
富士フイルムは,1998年に発売されたFinePix 700で,縦長のデザインを市場に提案してきた。それを搭載レンズをズームレンズにしたものが,このFinePix 1700Zである。背面には撮影した画像を確認するカラー液晶モニタのほか,撮影モードなどを表示する小さな液晶ディスプレイもあり,さらに光学ファインダーも備える。撮像素子の画素数が150万画素というのは少々物足りなく感じるが,当時のコンパクトディジタルカメラとしてはトップレベルの仕様である。
フジは,ディジタルカメラの初期からさまざまな製品を市場に送り出してきた。ごく初期の製品は「フジックス」シリーズを名乗り,FUJIX DS-505Aのようなレンズ交換式一眼レフカメラも含まれていた。どちらかといえば業務用とされる機種が中心だった「フジックス」シリーズに対して,CLIP-IT DS-10sなどの「クリップイット」シリーズは,廉価で簡便な機種が中心だった。
1998年以後,フジから発売されるディジタルカメラは,「ファインピクス」シリーズとなった。さいしょの「ファインピクス」であるFUJI FinePix 700は,1998年3月に発売された。撮像素子は150万画素で金属外装をまとった縦型のデザインは,従来のフィルムを使うカメラとは一線を画するものであった。
FUJI FinePix 1700Zは,3倍ズームレンズを搭載したモデルで,縦型デザインを引き継いでいる。