ミノルタ

ユニオマット

MINOLTA / UNIOMAT

 ダイアルを回して,追針を露出計の指針にあわせるだけで,適切なシャッター速度と絞りの組みあわせが得られるようになった「プログラム露光」を採用したカメラである。自動露出にはなっておらず,操作そのものはマニュアル式なので露出補正は自由におこなえるが,ダイアルの目盛がLV式になっているため具体的なシャッター速度や絞り値を知ることはできない。また,シャッター速度と絞り値の組みあわせを自由に変更することもできない。プログラム露光は,露出調整を簡単にするための工夫なのだから,これらの点への配慮は不要なのだろう。のちの「コニカL」や「フジカST-F」なども,このようなプログラム露光を採用している。
 ピント調整は二重像合致式距離計に連動しており,像は見やすく使いやすい。巻き上げレバーの動作角度は大きいが,そのかわり動作はすこぶる軽いものになっているようだ。
 使いやすい機構になっていると感じられるが,初心者向けのカメラとしてはもっと小さくできればよかったのにと思う。ずっしりとした安心感や,二重像合致式距離計を内蔵している点などは,現在の感覚で見れば,むしろマニア好みしそうなカメラである。初心者向けカメラとしては,1961年に発売されたコニカLのほうが,バランスがよい製品になっていると思う。

MINOLTA UNIOMAT, BODY No.164023
撮影レンズROKKOR-TD 45mm F2.8
露出プログラム露光 F2.8 1/8〜F16 1/1000,Bあり
ピント調節2重像合致式距離計連動 0.8m〜
発売1960年