スリック

　縮長90cm，全高200cm，パイプ径最大36mm(カタログ値)で，大型三脚に分類される三脚である。脚の素材はカーボンではなくアルミであり，見た目を裏切らないじゅうぶんな重さのある三脚である。これをもって長距離を歩くには少しばかり勇気が必要かもしれないが，ふつうに持ち歩ける程度のカメラやレンズであれば，ほぼ問題なく確実に固定できる。きちんとした写真を撮りたいならば，1本くらいはこのクラスの三脚を持っておくべきだろう。
　2段目のパイプには，目盛が刻まれている。これは，３本の脚を均等に伸ばしたいときの目安に使える。つまり，２段目のパイプをさいごに伸ばして使うことになる。一般的に三脚を使うときは，いちばん細い脚はさいごに伸ばすように言われることが多い。しかし，「ザ・プロフェッショナル」くらいの圧素材の太い脚であれば，いちばん細い脚でもしっかりと支えてくれるということだ。

　開脚角度を3段階に変えられることでローアングル撮影にも対応ということが謳われているが，全体に大柄な三脚であり，エレベーターが長いことから2段階目までしか開脚できない。そのため，最低地上高は59cmとなる。これは，開脚角度が一定の中型三脚である「スリック マスター３段」と大差ない。大型三脚でありながら，中型三脚並みのローアングル撮影もできますよ，という表現であれば納得できる。エレベーターをオプション品の雲台受けに交換すると，3段目まで開脚でき，最低地上高が40cmほどになる。