「関式サロン露出計」は,関実(せき・みのる)氏が発明したもので,戦前から戦後にかけていくつかの特許や実用新案を取得している。そして,それらを申請したり取得したりするたびにモデルチェンジをしているようすがうかがえる。前のモデルであるIIA型では,「影の長さによっても露出がわかる」「合理的な機構とスマートな形態美」という点が実用新案出願中,「時刻盤の設置」が特許出願中になっているが,IIB型ではこれらがいずれも取得済みになっている。これらの点は説明書に記載されているほか,本体の表面中央部に「特許」という表記を入れてアピールしている。
「関式サロン露出計」の発売時期を特定するには,説明書の奥付が有力な手がかりになる。これまでに入手したIIA型のものは1951(昭和26)年4月の改訂二十三版で,このIIB型に付属していたものは1952(昭和27)年2月の改訂24版である。これとは別に提供していただいた情報として,1951(昭和26)年9月の改訂23版の説明書が付属するIIB型が存在する。「二十三版」と「23版」とは版数が重複しているが,そこの事情はわからない。ともあれ,IIA型からIIB型にモデルチェンジされたのは,1951年9月と考えられる。このときはまだサマータイムが実施されていたため,この版の文字盤はサマータイムに対応したものになっている(サマータイムが廃止になったのは1952年4月)。
1952年4月頃以降に発売されたIIB型では,文字盤からサマータイムについての記述がなくなっている。また,表面の感光度の目盛がASAとDINだったのが,ASAとWESTONに変更されたものがある。特許や実用新案については進展がなかったようで,これらはすべてIIB型となっている。つまり,IIB型には,少なくとも次に示す3つのバージョンが存在することになる。 (1) 感光度目盛ASA/DIN,サマータイム対応 (2) 感光度目盛ASA/DIN,サマータイム非対応 (3) 感光度目盛ASA/WESTON,サマータイム非対応
「関式サロン露出計」は,関実(せき・みのる)氏が発明したもので,戦前から戦後にかけていくつかの特許や実用新案を取得している。そして,それらを申請したり取得したりするたびにモデルチェンジをしているようすがうかがえる。前のモデルであるIIA型では,「影の長さによっても露出がわかる」「合理的な機構とスマートな形態美」という点が実用新案出願中,「時刻盤の設置」が特許出願中になっているが,IIB型ではこれらがいずれも取得済みになっている。これらの点は説明書に記載されているほか,本体の表面中央部に「特許」という表記を入れてアピールしている。
「関式サロン露出計」の発売時期を特定するには,説明書の奥付が有力な手がかりになる。これまでに入手したIIA型のものは1951(昭和26)年4月の改訂二十三版で,このIIB型に付属していたものは1952(昭和27)年2月の改訂24版である。これとは別に提供していただいた情報として,1951(昭和26)年9月の改訂23版の説明書が付属するIIB型が存在する。「二十三版」と「23版」とは版数が重複しているが,そこの事情はわからない。ともあれ,IIA型からIIB型にモデルチェンジされたのは,1951年9月と考えられる。このときはまだサマータイムが実施されていたため,この版の文字盤はサマータイムに対応したものになっている(サマータイムが廃止になったのは1952年4月)。
「関式サロン露出計」のおおまかな分類
1952年4月頃以降に発売されたIIB型では,文字盤からサマータイムについての記述がなくなっている。また,表面の感光度の目盛がASAとDINだったのが,ASAとWESTONに変更されたものがある。特許や実用新案については進展がなかったようで,これらはすべてIIB型となっている。つまり,IIB型には,少なくとも次に示す3つのバージョンが存在することになる。
(1) 感光度目盛ASA/DIN,サマータイム対応
(2) 感光度目盛ASA/DIN,サマータイム非対応
(3) 感光度目盛ASA/WESTON,サマータイム非対応