オリンパス

CAMEDIA C-420L

OLYMPUS / C-420L

 オリンパスがはじめてディジタルカメラを発売したのは,1996年10月のことである。このとき発売されたディジタルカメラは,C-800L,C-400LとC-400の3機種であった。C-800Lは81万画素の撮像素子をもちピント調整はオートフォーカス式になっていて,各社のディジタルカメラが固定焦点式で35万画素クラスのものが主流だったなかで,高画質をセールスポイントにすることができていた。C-400LとC-400はどちらも固定焦点式の35万画素で,C-400は液晶モニタを省略した低価格モデルとして位置づけられていた。液晶モニタがないということは,すなわち,光学ファインダが設けられているということだ。
 1995年3月に発売されたCASIO QV-10がディジタルカメラを一般に広く普及させるきっかけになったが,QV-10には液晶モニタがあって,撮影した画像をすぐにみられることが大きなポイントであった。この液晶モニタはファインダとしても使えるもので,QV-10はレンズ部が回転するという,フィルムカメラではありえない機能をもつことができていた。
 一方で,液晶モニタをファインダとして使うと消費電力が大きくなり,電池の「もち」が悪くなるという問題があった。そのため,光学ファインダを搭載する流れも生じる。オリンパスが発売した3機種は,いずれも光学ファインダを搭載しており,全体的に,当時発売していたフィルムのコンパクトカメラ「オリンパスμ(ミュー)」シリーズに似たものになっていた。撮影に関する基本的なインタフェースも,フィルムのコンパクトカメラと同様のものになり,使いやすさをアピールすることにつながった。

その後,OLYMPUS C-400Lはオートフォーカス式で内蔵メモリが拡大されたC-410Lにモデルチェンジされる。さらに,記録メディアとして3.3Vのスマートメディアを使えるようになったモデルが,このOLYMPUS C-420Lである。
 撮像素子は35万画素にすぎないが,オートフォーカス式でメモリカードが使えるようになったことは,実用性がとても高くなったといえるだろう。光学ファインダをそなえ,フィルムのコンパクトカメラと似た形状であることも,使いやすさにつながっている。

OLYMPUS CAMEDIA C-420L, Body No. 28006073
撮像素子タイプ1/3型 正方画素CCD 撮像素子画素数35万画素
記録画素数最大 640ピクセル×480ピクセル
撮影レンズ5mm F2.8
露出調整プログラムAE 1/4〜1/10000秒,F2.8,5.6,11
ピント調節TTLコントラスト検出AF 0.75m〜∞ (マクロモード0.2m〜0.75m)
記録メディア3.3Vスマートメディア
電源単3乾電池 4本
発売1997年9月

OLYMPUS CAMEDIA C-420L, OLYMPUS LENS 5mm F2.8

細かい文字はまったく解像していないが,画像は全体的に落ち着いて見える。色味がやや赤っぽく感じるのは,そういうクセなのかもしれないし,あるいは露出不足になっているのかもしれない。

OLYMPUS CAMEDIA C-420L, OLYMPUS LENS 5mm F2.8

ある程度近づけば,文字も読めるレベルになる。近距離のものを撮る場合には,固定焦点ではなくオートフォーカスの効果が出ているものと考えたい。