カシオ

QV-70

CASIO / QV-70

 1995年に発売されたカシオQV-10は,ディジタルカメラというものを一般市場に定着させた。撮像素子は25万画素で,ピント調整はできず(固定焦点),フラッシュも内蔵されていない。カメラとしては,やや物足りない仕様である。一方で,ディジタルカメラならではの特徴として,レンズ部分が回転できるようになっている。CASIO QV-10は,おもに低価格化を実現するためと思われるモデルチェンジを繰り返しながらも,基本的なスタイルを変えることはなかった。
 ここで紹介する,カシオQV-70は,はじめてのフルモデルチェンジであると言えるだろう。撮像素子は25万画素で固定焦点という点は,CASIO QV-10と変わらないが,レンズ部の回転機構を廃し,かわって光学ファインダーを設けた。あらたに設けられた光学ファインダーによって,撮影中に液晶モニタをオフにすることができ,そのぶんだけ電池の消耗がおさえられるのである。このころのディジタルカメラでは電池の消耗が問題視されることが多く,光学ファインダーはその問題への回答となる。

 CASIO QV-10の,液晶モニタをファインダーとして使い,レンズが自由に回転するというのは,ディジタルカメラならではのスタイルだった。光学ファインダーを設けたCASIO QV-70は,従来のフィルムカメラのスタイルと使い勝手に近づくものであった。

CASIO QV-70, Body No.1066651
撮像素子タイプ1/5型 CCD 撮像素子画素数25万画素
記録画素数320ピクセル×240ピクセル
撮影レンズ5.2mm F2.8
露出調整絞り優先AE 絞り2段階(F2.8,F8)
 シャッター速度 1/8〜1/4000秒
ピント調節固定焦点(0.6m〜∞,絞り開放),マクロモード(0.1m〜0.18m,絞りF8)
記録メディア内蔵メモリ(2MB)
入出力端子RS-232C
電源単3乾電池3本
発売1997年8月

 CASIO QV-70は,CASIO QV-10と同様に,内蔵されたメモリに画像を記録する。メモリカードには,対応していない。そのため,撮影した画像をパソコンに取りこむには,専用の接続ケーブルとソフトウェアが必要である。