ロモグラフィ

ホルガ 120 SF

Lomography / HOLGA 120 SF

 HOLGAは,簡便なしくみのカメラのシリーズである。さいしょのHOLGA 120Sは,1980年代に香港のメーカーから発売されている。HOLGAは,大きく2つに分類することができる。1つは底面に三脚のネジ穴のない旧型で,もう1つは三脚のネジ穴がある新型である。HOLGA 120 SFは,旧型ホルガのフラッシュ付きモデルである。フラッシュ用の電池はフィルム室内にあり(上右画像),フィルムを装填している状態では,電池を交換することができない。
 120フィルムを使い,6p×6cm判または6cm×4.5cm判の写真を撮影できる。フィルムの巻止めはなく,赤窓に表示される裏紙の番号を見ながらフィルムを送る「赤窓式」の巻き上げである。撮影レンズは,60mm F8のものがつけられている。シャッター速度は1/100秒の1速のみ(そのほか,Bはある),絞りは「お天気マーク」で2段階(開放F8とF11)が選択できる。ピント調整は目測式(ゾーンフォーカス)式で,4段階の目盛がある。シャッターは,レリーズボタンを押すと何度でも露光ができるエバーセット式になっており,巻き上げと連動した二重写し防止などの機構はない。このように,とても簡素なカメラになっている。

 このカメラは,ポラバックつきのセットとして入手した。ポラバック付きのHOLGAの発売は「カメラのキタムラ」のWebサイトによれば2002年6月(*1)とのことのようであり,この形式のセットは日本カメラ「カメラ年鑑(2003年版)」などでも確認できる。「カメラのキタムラ」のWebサイトでは,その後,2003年4月に新モデルが紹介されている(*2)。しかし,入手したものはこれらよりさらに後のモデルのようなので,発売時期は2004年くらいになると推定できる。

HOLGA 120 SF, Body No. -----
撮影レンズ60mm F8
シャッターB(バルブ),1/100
絞り2段階(開放F8,F11)
ピント調節4点ゾーンフォーカス
使用フィルム120フィルム
発売2004年ころ?

 HOLGAとポラバックとの関係については,エー・パワーが発表した2007年10月22日のプレスリリース「キング・オブ・トイカメラ HOLGAにニューフェース登場! HOLGA135, 135BC, 135PC, 120PC 11月29日 4機種一挙新発売」(*3)内の記述が興味深い。


*1 https://www.kitamura.jp/shopping/pickup/2002/wp180.html
 Weekly Pickup(平成14年6月29日) (カメラのキタムラ)

*2 https://www.kitamura.jp/shopping/pickup/2003/wp223.html
 Weekly Pickup(平成15年4月26日) (カメラのキタムラ)

*3 https://doctor-and.com/HOLGA135release.html
HOLGA135, 135BC, 135PC, 120PC 11月29日 4機種一挙新発売 (2007年10月22日 株式会社エー・パワー)
 
>世界一『不完全』なカメラ、されど世界で唯一『魂』をもったカメラと異名をとるトイカメラの王様HOLGA120シリーズ。1982年の発売開始以来、今年で25周年を迎えましたが、初めの20年間は全く日の目を見ませんでした。これを世の桧舞台へ押し出したのが、当社代表 安藤芳浩が日本ポラロイド在職中の2002年5月に開発したHOLGA用ポラロイドフィルムホルダー『POLGA』です(HOLGA第一次黄金時代)。さらに(株)パワーショベルが2005年6月に発売したHOLGA120用35mmアダプター(HOLGA第二次黄金時代)でHOLGAの地位は不動のものとなりました。