小型カメラというものは,基本的なスタイルが古来より大きくは変化していない。それはやや横に長い形状のボディのほぼ中央か,向かって少し右に寄ったところに撮影用のレンズが取りつけられていて,カメラをかまえたときの右手側でシャッターレリーズの操作をおこなうようになっている。1920年代のライカI型から1980年代の各種コンパクトカメラ,そして最近のコンパクトデジタルカメラに至るまで,大きくは変わっていない。 しかしときには,それまでにはありえなかったような形態のカメラが発売されることがある。オートボーイJETもそのようなカメラの1つで,円筒のような独特の形状が目を引くカメラである。レンズキャップを開くとそこがフラッシュになっている点も,斬新である。内蔵されたレンズは,オートボーイシリーズとしてははじめての100mmをこえた3倍ズームレンズである。短焦点側での開放F値はF2.8となっており,じゅうぶんな口径も確保しようとしている。ズームレンズの操作は,電動式になっている。ファインダーは一眼レフ方式ではないが,ズームの操作に応じてファインダーの視野が変化するようになっており,同時にフラッシュの照射角も変化するようになっている。一般的なカメラとくらべると「おかしな」形状であるが,実際に使ってみると撮りやすいものになっている。けっしてコンパクトなカメラではないが,円筒形ででっぱりがないために,バッグ等への収まりがよく,出し入れもしやすいものになっている。オートフォーカスやレンズに,性能のよいものを使うようにしているようで,写り具合もよい。そのぶん,価格が高くなってしまったのが残念とはいえ,しかたのないことである。 日本カメラショー「カメラ総合カタログ」では,vol.99(1990年9月)からvol.101(1991年4月)で見ることができる。vol.101での希望小売価格は,64,500円(オートボーイJETキット,(リモコン,クローズアップレンズ,ケース付き,税別)である。なお,vol.103(1992年2月)では,長焦点側の焦点距離が135mmに伸びた「JET135」という後継モデルが掲載されている。vol.102の内容は未確認であるが,インパクトの強い製品であるものの,発売期間は長くなかったようである。また,コンパクトカメラとしては高価格である(とはいえ,所有欲を満たすような「高級品」というイメージはない)ためか,中古カメラ店などで見かける機会は,あまり多くないと感じている。
操作が右手の指が届く範囲に集中しており,縦位置でも横位置でもとっさに撮ることができる。初代オートボーイ(Canon AF35M)発売時の広告などでは「片手で撮れる」という宣伝文句が使われていたが,オートボーイジェットもまさに「片手で撮れる」カメラとして仕上がっているといえる。
小型カメラというものは,基本的なスタイルが古来より大きくは変化していない。それはやや横に長い形状のボディのほぼ中央か,向かって少し右に寄ったところに撮影用のレンズが取りつけられていて,カメラをかまえたときの右手側でシャッターレリーズの操作をおこなうようになっている。1920年代のライカI型から1980年代の各種コンパクトカメラ,そして最近のコンパクトデジタルカメラに至るまで,大きくは変わっていない。
しかしときには,それまでにはありえなかったような形態のカメラが発売されることがある。オートボーイJETもそのようなカメラの1つで,円筒のような独特の形状が目を引くカメラである。レンズキャップを開くとそこがフラッシュになっている点も,斬新である。内蔵されたレンズは,オートボーイシリーズとしてははじめての100mmをこえた3倍ズームレンズである。短焦点側での開放F値はF2.8となっており,じゅうぶんな口径も確保しようとしている。ズームレンズの操作は,電動式になっている。ファインダーは一眼レフ方式ではないが,ズームの操作に応じてファインダーの視野が変化するようになっており,同時にフラッシュの照射角も変化するようになっている。一般的なカメラとくらべると「おかしな」形状であるが,実際に使ってみると撮りやすいものになっている。けっしてコンパクトなカメラではないが,円筒形ででっぱりがないために,バッグ等への収まりがよく,出し入れもしやすいものになっている。オートフォーカスやレンズに,性能のよいものを使うようにしているようで,写り具合もよい。そのぶん,価格が高くなってしまったのが残念とはいえ,しかたのないことである。
日本カメラショー「カメラ総合カタログ」では,vol.99(1990年9月)からvol.101(1991年4月)で見ることができる。vol.101での希望小売価格は,64,500円(オートボーイJETキット,(リモコン,クローズアップレンズ,ケース付き,税別)である。なお,vol.103(1992年2月)では,長焦点側の焦点距離が135mmに伸びた「JET135」という後継モデルが掲載されている。vol.102の内容は未確認であるが,インパクトの強い製品であるものの,発売期間は長くなかったようである。また,コンパクトカメラとしては高価格である(とはいえ,所有欲を満たすような「高級品」というイメージはない)ためか,中古カメラ店などで見かける機会は,あまり多くないと感じている。
Canon Autoboy JET (Canon LENS 35-105mm F2.8-6.6), Konica 100
Canon Autoboy JET (Canon LENS 35-105mm F2.8-6.6), Konica 100
操作が右手の指が届く範囲に集中しており,縦位置でも横位置でもとっさに撮ることができる。初代オートボーイ(Canon AF35M)発売時の広告などでは「片手で撮れる」という宣伝文句が使われていたが,オートボーイジェットもまさに「片手で撮れる」カメラとして仕上がっているといえる。