「ワルツ商会」は,フィルタをはじめとする写真用品などで有名だった。1950年代のカメラ雑誌等では,「ワルツフィルタ」の名前をよく見かける。ワルツ商会はフィルタだけでなく,カメラも発売していた。たとえば1952年からは,「ワゴーフレックス」「ワルツフレックス」という6×6判二眼レフカメラを発売していた。ちょうど二眼レフカメラのブームに乗って発売されたように見えるわけだが,そのブームに翳り見えるはじめる1956年,こんどは35mm判レンズシャッターカメラを発売した。それがこの「ワルツ35」である。 「ワルツ35」はやや小ぶりなカメラであるが,ピントリングに連動した二重像合致式距離計を内蔵したファインダーをもつ,いわゆるレンジファインダーカメラである。巻き上げは当然,セルフコッキングで,二重写しの心配もない。シャッターレリーズボタンのストロークも短く,機能,性能的に,まとまっているという印象を受ける。35mm判レンズシャッターカメラとしては,それなりの完成度に達しているということができる。
「ワルツ商会」は,フィルタをはじめとする写真用品などで有名だった。1950年代のカメラ雑誌等では,「ワルツフィルタ」の名前をよく見かける。ワルツ商会はフィルタだけでなく,カメラも発売していた。たとえば1952年からは,「ワゴーフレックス」「ワルツフレックス」という6×6判二眼レフカメラを発売していた。ちょうど二眼レフカメラのブームに乗って発売されたように見えるわけだが,そのブームに翳り見えるはじめる1956年,こんどは35mm判レンズシャッターカメラを発売した。それがこの「ワルツ35」である。
「ワルツ35」はやや小ぶりなカメラであるが,ピントリングに連動した二重像合致式距離計を内蔵したファインダーをもつ,いわゆるレンジファインダーカメラである。巻き上げは当然,セルフコッキングで,二重写しの心配もない。シャッターレリーズボタンのストロークも短く,機能,性能的に,まとまっているという印象を受ける。35mm判レンズシャッターカメラとしては,それなりの完成度に達しているということができる。