栗林写真工業は,コニカについでカメラの製造をはじめたとされる,日本のカメラメーカーの老舗であった。第二次世界大戦前は,国産カメラとしてポピュラーな存在だった皆川商店の「ファースト」カメラ全機種の製造元でありながら,そのころに「栗林」の名前が出ることはなかったようだ。「栗林」の名前が表に出るようになるのは,第二次世界大戦後に発売された「カロロン」などのスプリングカメラからのようである。単独距離計を搭載したセミ判スプリングカメラに「ペトリー」と名づけて以後,栗林のカメラは「ペトリ」というブランドに統一されていき,さらには会社名も「ペトリカメラ」に改称されることになる。 「ペトリ35 F2.8」は,1958年に発売された。二重像合致式連動距離計を内蔵したファインダーをもつ,いわゆるレンズシャッター式レンジファインダーカメラである。レンズは自社銘のペトリ・オリコール4.5cm F2.8,シャッターも自社製とされるペトリ・カーペルMXVである。ファインダーには緑色のフィルタがかかっており,ピントが見えやすい緑の窓として宣伝されていた。実際にはフィルタがかかっている分,視野は暗いわけで,ほんとうに「見えやすさ」の効果があるのかどうかはわからない。ただ,カメラを正面から見れば,どっしりとした精悍な面構えのなかに,ところどころ「色」がついていて,非常に美しく見えるカメラである。
栗林写真工業は,コニカについでカメラの製造をはじめたとされる,日本のカメラメーカーの老舗であった。第二次世界大戦前は,国産カメラとしてポピュラーな存在だった皆川商店の「ファースト」カメラ全機種の製造元でありながら,そのころに「栗林」の名前が出ることはなかったようだ。「栗林」の名前が表に出るようになるのは,第二次世界大戦後に発売された「カロロン」などのスプリングカメラからのようである。単独距離計を搭載したセミ判スプリングカメラに「ペトリー」と名づけて以後,栗林のカメラは「ペトリ」というブランドに統一されていき,さらには会社名も「ペトリカメラ」に改称されることになる。
「ペトリ35 F2.8」は,1958年に発売された。二重像合致式連動距離計を内蔵したファインダーをもつ,いわゆるレンズシャッター式レンジファインダーカメラである。レンズは自社銘のペトリ・オリコール4.5cm F2.8,シャッターも自社製とされるペトリ・カーペルMXVである。ファインダーには緑色のフィルタがかかっており,ピントが見えやすい緑の窓として宣伝されていた。実際にはフィルタがかかっている分,視野は暗いわけで,ほんとうに「見えやすさ」の効果があるのかどうかはわからない。ただ,カメラを正面から見れば,どっしりとした精悍な面構えのなかに,ところどころ「色」がついていて,非常に美しく見えるカメラである。