レンズシャッター式カメラのレンズとして,40mm〜50mmのものが主流だったころに,35mm広角レンズつきで登場したのがオリンパスワイドのシリーズである。このカメラは,1955年発売の「オリンパスワイド」の改良型で,巻き上げがレバー式になり,シャッターの最高速度が1/500秒になった。 露出計も距離計もなく,すべてがマニュアル操作となる。そういう意味では,非常にシンプルなカメラだが,絞り羽根の枚数が多いなど,丁寧につくりこまれたカメラに感じられる。レンズの焦点距離がcm標記であったり,シンクロ接点がXとMに対応しているなど,時代を感じることのできるカメラであるということもできる。このカメラは,オリンパスワイドIIの前期型だが,後期型ではカメラ前面に大きな「W」のロゴが付く。 オリンパスワイドをきっかけに,各社が35mm広角レンズつきレンズシャッター式カメラを発売し,「ワイドカメラ」のブームが訪れた。
新幹線が登場したとき,人びとはそのスピードに驚いたが,みんなすぐに慣れてしまった。廉価なズームレンズにより,20mm台,あるいはそれより短焦点のレンズの視野に慣れた現代人は忘れがちであるが,35mmレンズは,立派な広角レンズである。40mmや50mmのレンズしか知られていなかったころには,その視野はまさに新鮮なものだっただろう。35mmを制する者は,広角レンズを制す。 古いズイコーの宿命だろうか,このカメラのレンズも,白く濁りがちになってしまい,本来の描写は得られていないものと思う。
レンズシャッター式カメラのレンズとして,40mm〜50mmのものが主流だったころに,35mm広角レンズつきで登場したのがオリンパスワイドのシリーズである。このカメラは,1955年発売の「オリンパスワイド」の改良型で,巻き上げがレバー式になり,シャッターの最高速度が1/500秒になった。
露出計も距離計もなく,すべてがマニュアル操作となる。そういう意味では,非常にシンプルなカメラだが,絞り羽根の枚数が多いなど,丁寧につくりこまれたカメラに感じられる。レンズの焦点距離がcm標記であったり,シンクロ接点がXとMに対応しているなど,時代を感じることのできるカメラであるということもできる。このカメラは,オリンパスワイドIIの前期型だが,後期型ではカメラ前面に大きな「W」のロゴが付く。
オリンパスワイドをきっかけに,各社が35mm広角レンズつきレンズシャッター式カメラを発売し,「ワイドカメラ」のブームが訪れた。
OLYMPUS WIDE2, D.ZUIKO 35mm F3.5, Centuria400
新幹線が登場したとき,人びとはそのスピードに驚いたが,みんなすぐに慣れてしまった。廉価なズームレンズにより,20mm台,あるいはそれより短焦点のレンズの視野に慣れた現代人は忘れがちであるが,35mmレンズは,立派な広角レンズである。40mmや50mmのレンズしか知られていなかったころには,その視野はまさに新鮮なものだっただろう。35mmを制する者は,広角レンズを制す。
古いズイコーの宿命だろうか,このカメラのレンズも,白く濁りがちになってしまい,本来の描写は得られていないものと思う。