リコー

AFリケノン 50mm F2

RICOH / AF RIKENON 50mm F2

 ピントを自動的に調整するオートフォーカス機構をもったカメラとして世界ではじめて市販されたものは,Konica C35AF(初代ジャスピンコニカ,1977年)である。これ以後,オートフォーカスのコンパクトカメラがいろいろと発売されるようになった。
 一眼レフカメラでオートフォーカス撮影ができるようになったのは,これより少しのちのことである。このAF RIKENON 50mm F2は,35mm判一眼レフカメラでオートフォーカス撮影ができる交換レンズとして,世界でさいしょに市販されたものになる。そして,このレンズとのセットでも発売されたRICOH XR6(リコーXR6 スクープアイ)は,世界でさいしょに市販された,オートフォーカス撮影のできる一眼レフカメラということになる。

 このレンズのオートフォーカス機構は,カメラとは独立して動作する。このレンズには電源として,2本の単4形乾電池が必要である。側面にある電源スイッチをONにして,測距ボタンを押しこむと,被写体までの距離を測定し,レンズに内蔵されたモーターがピントリングを適正な位置まで動かす。測距ボタンを押しこむときにレンズ内部のミラーと接点が動き,ピントがあったと判断されるミラーの角度から距離を求めるようになっている。このとき,接点が導通するポイントが18箇所あるので,無限遠からオートフォーカスでの最短撮影距離1mまでの範囲を,18段階に測定していると考えられる。段階数がやや少ないと感じるが,実際に使ってみると,おおむね実用的な範囲にあると感じる。

 測距ボタンをはなすと,ピントリングの位置が無限遠に戻る。ファインダーを見ながら測距ボタンを押し,もしもピントがうまくあっていないようであれば,測距ボタンを押しなおせばよい。ピントがあったときに,シャッターレリーズボタンを押せばよい。
 レンズの電源スイッチをOFFにすると,ピントリングをまわしてマニュアルフォーカスで使うことになる。このときでも,ピントリングとモーターとの連動は切れないようで,ピントリングを回すのはかなり重い。

AF RIKENON 50mm F2, No.
焦点距離50mm 口径比2
レンズ構成5群6枚
最短撮影距離(AF)1m最短撮影距離(MF)0.6m
マウントKマウント
発売1981年2月

 測距はTTL式ではなく,1mステップ数が18段階しかないので,近距離のものにピントがあうのかどうか不安に思うが,実際に使ってみると実用上はほぼ問題ないという印象を受ける。

RICOH XR6, AF RIKENON 50mm F2, FUJI 100