オリンパス

SC35 (TYPE 9)

OLYMPUS / SC35 TYPE 9

 OLYMPUS SC35は,内視鏡などに接続して撮影するための,特殊な用途のカメラである。ファインダースクリーンは,接続する装置にあわせた専用のものになっており,その違いによってOLYMPUS SC35にはいくつかのタイプがある。そのうち,工業用内視鏡専用とされたOLYMPUS SC35 TYPE15は,少なくとも2007年ころまではオリンパスのWebサイトに記載があった。
 ここに紹介するカメラは,医療用内視鏡撮影用とされるOLYMPUS SC35 TYPE9である。これには,中央が大きく円形に透過している,特殊なファインダースクリーンが固定されている。内視鏡を使った撮影には好都合でも,一般的な撮影には向いていない。

 OLYMPUS SC35は,一見するとOLYMPUS OM101とよく似たカメラである。しかし実際には,たまたまボディの枠を共用しているだけの,まったく別のカメラである。大きな違いとして,たとえば,OLYMPUS OM101がボディ側のダイアルを操作することで,オートフォーカス用レンズのピントリングをモーターで動かす「パワーフォーカス」という機構を取り入れているのに対し,OLYMPUS SC35にはそのような機構は含まれていない,という点がある。
 OLYMPUS OM101はプログラムAEでの使用が基本となり,オプションの「マニュアルアダプタ2」を装着することで,絞り優先AEモードとマニュアル露出モードが追加される。それに対してOLYMPUS SC35は,絞り優先AEでの使用が基本となり,OLYMPUS OM101のマニュアルアダプタを似た装置を装着することで,露出補正とマニュアル露出モードが追加される。この装置は,OLYMPUS OM101に装着して「マニュアルアダプタ2」と同様に使うこともできる。OLYMPUS OM101のモード切り替えダイアルには「P [M A]ADAPTOR」のように3つのポジションが用意されているが,OLYMPUS SC35では「A__A M」のように同じスイッチを流用しているように見えるもののポジションが2つになっている。

 相違点としてはそのほか,レンズをはずすためのロックを解除するボタンの有無がある。OLYMPUS SC35ではオリンパスAFレンズの使用が想定されていないためにボディ側にロック解除ボタンがなく,マニュアルフォーカスのOMシリーズと同様にレンズ側のロック解除ボタンを利用するようになっている。

 OLYMPUS SC35にはTYPE 9やTYPE 15のほか,顕微鏡撮影用とされるOLYMPUS SC35 TYPE12など,いくつかの種類が用意されていた。

OLYMPUS SC35 TYPE 9, No.
シャッター電子制御縦走り金属幕
シャッター速度2〜1/2000
マウントオリンパスOM
発売