ニコンのカメラとしてはじめてTTL開放測光の露出計を内蔵した,ニコマートFTを改良したモデルである。
もっとも重要な改良ポイントは,レンズの開放F値を自動的に設定できるようにしたことである。ニコマートFTではレンズを交換するたびに,レンズの開放F値とフィルム感度とを設定する必要があったのだが,そのためのつまみや表示の文字がたいへん小さく,頻繁にレンズ交換をおこなうには非常に不便を感じるものになっていた。ニコマートFTNには,レンズを装着後に絞りリングを1往復させることで,自動的にレンズの開放F値が設定されるようなしくみが取り入れられて,開放F値の設定が飛躍的に容易になったのである。この絞りリングを1往復される操作は,「ニコンのガチャガチャ」「ニコンの儀式」などとよばれることもある。後に,ニコンF2フォトミックAやニコマートFT3など以降の機種で,レンズを装着するだけで自動的に開放F値が設定されるAi式が採用されるまで,これはニコンユーザに必須の儀式として定着したのであった。 そのほかの改良点としては,TTL露出計が中央部重点測光になったこと(ニコマートFTでは全面測光),ファインダー内にシャッター速度が表示されるようになったことがあげられる。また,ニコマートFTNの後期モデルでは,巻き上げレバーやセルフタイマーレバーなどに,プラスチックのカバーがつくようになっている。
ニコンのカメラとしてはじめてTTL開放測光の露出計を内蔵した,ニコマートFTを改良したモデルである。
もっとも重要な改良ポイントは,レンズの開放F値を自動的に設定できるようにしたことである。ニコマートFTではレンズを交換するたびに,レンズの開放F値とフィルム感度とを設定する必要があったのだが,そのためのつまみや表示の文字がたいへん小さく,頻繁にレンズ交換をおこなうには非常に不便を感じるものになっていた。ニコマートFTNには,レンズを装着後に絞りリングを1往復させることで,自動的にレンズの開放F値が設定されるようなしくみが取り入れられて,開放F値の設定が飛躍的に容易になったのである。この絞りリングを1往復される操作は,「ニコンのガチャガチャ」「ニコンの儀式」などとよばれることもある。後に,ニコンF2フォトミックAやニコマートFT3など以降の機種で,レンズを装着するだけで自動的に開放F値が設定されるAi式が採用されるまで,これはニコンユーザに必須の儀式として定着したのであった。
そのほかの改良点としては,TTL露出計が中央部重点測光になったこと(ニコマートFTでは全面測光),ファインダー内にシャッター速度が表示されるようになったことがあげられる。また,ニコマートFTNの後期モデルでは,巻き上げレバーやセルフタイマーレバーなどに,プラスチックのカバーがつくようになっている。