1980年から2000年まで20年間にわたって製造・販売が続けられた超ロングセラーモデルのカメラである。F3は,まさに1980年代を代表するカメラであり,20世紀最後の高級カメラである。その性能と信頼性の高さ,各部の動作の上品さは,過去にもそして未来にも,比類するものはない。 F3のミラーには多数のピンホールがあり,ここを通じてボディにてTTL測光をおこなうようになった。その結果,従来のF,F2(あるいは後のF4,F5)と異なり,ファインダーを交換しても,つねに同じ条件で測光がおこなわれるようになる。 F3のファインダーのみやすさは,特筆モノである。明るくクリアで,ピントの山もつかみやすい。ファインダースクリーンの交換も容易である。また,巻き上げのスムースな感触は,他のカメラには決して見られない。モータードライブ内蔵のカメラが主流になったいま,このような上質な操作感をもったカメラは,もう登場することはないだろう。 ファインダーの交換が可能であることが,いわゆる「F一桁」シリーズの特徴の1つである。特に,ウエストレベルファインダーの用途は広い。ローアングル撮影や接写・複写に有利なのはもちろんだが,構図を「絵」として確認しやすいことや,被写体をやさしくみつめることができる点も,非常に有効である。 ボディのデザインは,ジウジアーロによる。グリップ部の赤いラインは,このあとのニコンのカメラに,いろいろな形でひきつがれていく。
1980年から2000年まで20年間にわたって製造・販売が続けられた超ロングセラーモデルのカメラである。F3は,まさに1980年代を代表するカメラであり,20世紀最後の高級カメラである。その性能と信頼性の高さ,各部の動作の上品さは,過去にもそして未来にも,比類するものはない。
F3のミラーには多数のピンホールがあり,ここを通じてボディにてTTL測光をおこなうようになった。その結果,従来のF,F2(あるいは後のF4,F5)と異なり,ファインダーを交換しても,つねに同じ条件で測光がおこなわれるようになる。
F3のファインダーのみやすさは,特筆モノである。明るくクリアで,ピントの山もつかみやすい。ファインダースクリーンの交換も容易である。また,巻き上げのスムースな感触は,他のカメラには決して見られない。モータードライブ内蔵のカメラが主流になったいま,このような上質な操作感をもったカメラは,もう登場することはないだろう。
ファインダーの交換が可能であることが,いわゆる「F一桁」シリーズの特徴の1つである。特に,ウエストレベルファインダーの用途は広い。ローアングル撮影や接写・複写に有利なのはもちろんだが,構図を「絵」として確認しやすいことや,被写体をやさしくみつめることができる点も,非常に有効である。
ボディのデザインは,ジウジアーロによる。グリップ部の赤いラインは,このあとのニコンのカメラに,いろいろな形でひきつがれていく。