オリンパス

XA2

OLYMPUS / XA2

 ケースレスカメラの先駆といえる「オリンパスXA」の簡略版といえるモデルである。プログラムAEとゾーンフォーカス方式の採用で,気軽に使えるようになった。専用フラッシュ(電源は,単3乾電池1本)を使えば,フラッシュ撮影もオートで可能である。また,専用フラッシュをはずしたときの本体は,非常に小さくコンパクトなものになる。この小ささは,現代でも十分に通用する魅力といえるだろう。なお,本体の電源としては,LR44を2個使用する。
 ピント調整が目測式である点については賛否分かれようが,つねにカメラを携帯できる魅力は非常に大きい。また,このカメラには「オートパンフォーカス」と称するしくみがあり,レンズバリアを閉じるとピント位置が3mに設定されるようになっている。このとき,日中の屋外であれば,近景から遠景までほぼ被写界深度の中にはいってしまう。調整をするのを忘れてしまっても,「大はずれ」のない写真ができるような工夫である。初心者にとって使いやすいカメラが実現されているといえる。

OLYMPUS XA2, BODY No.3416060
撮影レンズD.Zuiko 35mm F3.5 3群4枚
シャッター速度2sec〜1/750sec
絞りF3.5〜F14
露出調節プログラムAE
ピント調節目測 3点ゾーンマーク
発売1980年

 「オリンパスXA2」には,いくつかのカラーモデルが発売されている。「日本カメラショー」の1983年のカタログにのみ,「オリンパスXA2カラー」として,「ハートレッド」「シティブルー」「アーバンホワイト」が掲載されていたが,そのほかにも何種類かあるようだ。


OLYMPUS XA2 (D.Zuiko 35mm F3.5), CENTURIA400

OLYMPUS XA2 (D.Zuiko 35mm F3.5), PRESTO 100

 このカメラの前のモデルである「オリンパスXA」は,プログラムAEではなく絞り優先AEを採用し,二重像合致式距離計を内蔵してピントもしっかりとあわせられる,作画用途を意識したカメラだった。それに対して「オリンパスXA2」は,プログラムAEと3点ゾーンフォーカス式のピントあわせになって,機能的には大幅に簡略化された。また,「オリンパスXA」では6枚構成のレンズを搭載していたが,「オリンパスXA2」は3群4枚構成の平凡なものになっている。「オリンパスXA2」はよく売れたカメラのようで,市場には多くの数が出回っており,流通価格が非常にこなれているのも魅力である。このように,あくまでも廉価版のコンパクトカメラであるが,描写は侮れない。ときとして,上位モデルである「オリンパスXA」よりもシャープな,驚くほどの画像が得られることがある。撮影スタイルとしては,つねにポケットに入れておき,いつでもシャッターを切ることができるようにしておくのがよいだろう。