リコー

リコーフレックスVIIs

Ricoh / Ricohflex VIIs

 第二次世界大戦後の「リコーフレックス」は,板金ボディ,前玉回転式ピント合わせを採用し,廉価版二眼レフカメラの代表といえるシリーズである。
 「リコーフレックスVIIs」は,「リコーフレックスVII」までのカメラに搭載されていた「リケン・シャッター」を改良したもので,旧来のリケン・シャッターがBのほかは1/25, 1/50, 1/100の3段階だったのに対し,B, 1/10, 1/25, 1/50, 1/100, 1/200とシャッター速度の幅が広がっている。
 ファインダーには,リコーフレックスVIIと同様に,アイレベルに構えたときにブライトフレームのようなはたらきをするスリットが開けられている。巻き上げもリコーフレックスVIIと同様に,赤窓式になっている(「リコーフレックスVII セイコーシャ・ラピッド付き」の項目も参照)。巻き上げノブには数字が刻まれているが,35mm判フィルムでライカ判の撮影をするための「リコーキン」を使用するときのフィルムカウンタとしてはたらくものかと思われる。

 なお,このカメラは入手時にネームプレートが失われていた。別の同機種のネームプレートをイメージスキャナで読みこんでプリンタ出力し,それを金属板に貼りつけたものをつくって,ネームプレートの代用としている。

Ricohflex VIIs, No.192691
撮影レンズRicoh Anastigmat 8.0cm F3.5 No.348960 ビューレンズRicoh Viewer 8.0cm F3.5
シャッター速度B, 1/10, 1/25, 1/50, 1/100, 1/200 (Riken)
ピント調節前玉回転式,最短撮影距離3.5ft
フィルム送りノブ巻き上げ,赤窓式
画面サイズ6cm×6cm 発売1955年

カメラのシリアルナンバーとしては,シャッター部の上部に記されているものを記載している。


RICHOFLEX VIIs, Anastigmat 8.0cm F3.5, ACROS100

開放付近では甘さを感じるが,F8くらいまで絞りこめば3枚玉にもかかわらず周辺まで素直な描写を見ることができる。