ワルツ

エタロン

WALZ / EXPOSURE METER type Etalon

 ワルツ商会(東京都中央区日本橋宝町1-16)から発売された電気露出計で,ワルツ・スーパー露出計(WALZ SUPER EXPOSURE METER model EII)に続くモデルとなる。ワルツ・スーパー露出計や同じ時期のセコニック L-3b(SEKONIC L-3b)が,ウエストンマスターU モデル735(WESTON MASTER II model 735)に似た丸みを帯びた外観であるのに対し,このワルツ・エタロンは角ばった外観であることが特徴といえる。外観ではウエストンマスターと差異をもたせるように工夫しているわけだが,機能としてはウエストンマスターの特徴ともいえた,受光素子の前の遮光板を出し入れすると目盛がスライドして変更されるしくみを取り入れている。遮光版の出し入れは。本体側面のダイアルを回しておこなう。
 「アルス写真年鑑 1953年版」(アルス,1953)(*1)に広告が掲載されており,電気露出計については「…モダンなワルツ・スーパーと最新型ワルツ・エタロン」という表現がされている。この広告から,ワルツ・エタロンが,ワルツ・スーパー露出計につぐ機種であり,1953年ころに発売されたものであると判断できる。
 銘板には「CDK」(CENTRAL ELECTRONIC)のロゴがあり,製造元はワルツ・スーパー露出計と同じであると考えられる。「エタロン」という名称だが,1950年代後半に露出計を発売していた「エタロン商会」との関係はわからない。「エタロン」は,薄膜を重ねた光学素子をあらわす言葉であり,セレン光電池をイメージしたものであろう。こういう分野の製品が使いたくなるような名詞であり,ワルツ・エタロン露出計と,エタロン商会とは,とくに関係がないのかもしれない。

*1 「アルス写真年鑑 1953年版」(アルス,1953) (国立国会図書館デジタルコレクション)
https://dl.ndl.go.jp/pid/2472057/1/104


WALZ EXPOSURE METER type Etalon, 53 No.11242
測光種類反射光式
電源不要
発売1953年