オリンパス

ペンF

OLYMPUS / PEN F

 オリンパス・ペンFシリーズは,ハーフサイズを採用したシステム一眼レフカメラとして,貴重な存在である。ハーフサイズの特徴を生かしてカメラをコンパクトにするべく,回転する羽根をもった独特なシャッターが採用された。

 なお,ここで紹介するカメラは,残念ながら故障している。


OLYMPUS-PEN F, No.263656
シャッター速度B, 1sec〜1/500sec
露出制御マニュアル
発売1963年

 オリンパスペンFには,さまざまな交換レンズも用意されている。標準レンズはF.Zuiko 38mm F1.8で,最短撮影距離は0.45mである。レンズマウントは3本爪の専用バヨネットマウントで,ニコンFマウントなど35mmフルサイズ(ライカ判)カメラのマウントにくらべれば小さいものの,ハーフサイズ用であると考えれば十分に大口径なマウントであると言える。「カメラ総合カタログ Vol.28」(1967年)によれば25mmから800mmまでの交換レンズが用意されていた。


 これは,ペンFボディを利用して顕微鏡の視野を撮影するためのアダプタである。型番らしきものは,とくに記されてはいないようだ。
 「オリンパスといえば医療機器」というイメージをもっている人も少なくないように,オリンパスの顕微鏡や内視鏡は,それらが使われる現場において一定の高い評価を得ているようだ。オリンパスOMシステム(発売当初はMシステム)のセールスコピーには,「宇宙からバクテリアまで」という表現も使われていた。

 OMシステムは,顕微鏡などと接続するためのアダプタなどの機器が豊富に用意されていたのだが,「カメラ総合カタログ Vol.28」(1967年)を参照すれば,OMシステム以前のペンFシステムにも十分な装置が準備されていたことがわかる。それによれば,この装置は「顕微鏡写真撮影用アダプタ」と記載されているのみで,型番等は与えられていないようだ。