アーガスC3は,1940年代から195年代にかけて,アメリカで爆発的に普及した,ファインダーに連動距離計を内蔵したカメラである。ボディ外観はまったくの黒い直方体で,大部分は合成樹脂製のようだが非常に重い。ストラップをつける金具がないので,携行に革ケースは必須である。その形態からアメリカでは,「brick (レンガ)」と呼ばれることもあったようだ。 黒い直方体ボディや,右手でギアを回すことでピントを調整できるなどの点からは,全体的の印象として,「Contax I」に似せようとしたのではないかと感じられる。しかし,Contaxとは違ってシャッターはフォーカルプレーン式ではなく,リーフシャッターをレンズのすぐ後のボディ側に配置している。これによってレンズ交換が可能になり,さらに,レンズがコンパクトになることや連動機構が不要になることなどから,故障も少なくなる効果が期待できただろう。また,シャッターのチャージと巻き上げは連動していない。巻き上げのときにはその都度,ストッパーを解除して巻き上げノブを操作する必要がある。なお,シャッターを切るときにシャッターをチャージするレバーが手にあたりやすく,シャッターの動作を妨げることがあるので,注意が必要である。 ファインダーは,距離計窓とフレーミング窓が独立した「二眼式」になっている。距離計は,よくある二重像合致式ではなく,上下像合致式である。ちょうど,オートフォーカスではない一眼レフカメラによく内蔵されている「スプリットイメージ」のように使うことができる。 アーガスC3の特徴として,レンズ交換が可能なことがあげられる。交換レンズとしては,35mmから135mm (135mmについては,現物を見たことがない)までのものが用意されているようだ。レンズ交換の際には,ヘリコイドと距離計を連動するギアをはずす必要があり,たいへん煩雑である。
アーガスC3は,長く発売が続けられた製品であり,時期によって少しずつ外見などが異なっている。たとえばARGUS C3を7種類に分類しているWebサイト(*1)での分類によれば,この個体は「シャッタースピードが7段階」「COATED CINTAR付き」「チャージレバーが黒」「フィルムメモがWESTON表記」などの特徴から,1946年〜1948年のver.3に該当するもののようである。
アーガスC3用のレンズとしては,50mm標準レンズのほかに,35mm広角レンズや100mm望遠レンズなどが用意されている。本体や標準レンズが多数流通していることにくらべると,これらの交換レンズの流通量は決して多くないため,いざ探そうと思ってもなかなか見つからないかもしれない。しかし,人気がないせいか流通している価格はさほど高いものではないと思われる。 レンズマウントはねじこみ式のもので,鏡胴根元のギアを介して距離計と連動している。レンズ交換の際にはそのギアをはずす必要があり,その手順は以下に示すように煩雑である。 現在,入手している交換レンズについては,以下の各ページを参照されたい。
アーガスC3本体のファインダーの視野は,50oレンズで撮影できる範囲に相当する。レンズ交換をしたときには,別にファインダーを取りつける必要がある。
「ARGUS」銘の外付けファインダーの視野は,前面のカバーをかけないときは35mmレンズで撮影できる範囲に相当するものとなり,全面のカバーをかけると100mmレンズで撮影できる範囲に相当するものとなる。
*1 https://sites.google.com/site/fromthefocalplanetoinfinity/argusc3 ARGUS C3 (from the focal plane to infinity)※Internet Archives のデータ
アーガスC3は,1940年代から195年代にかけて,アメリカで爆発的に普及した,ファインダーに連動距離計を内蔵したカメラである。ボディ外観はまったくの黒い直方体で,大部分は合成樹脂製のようだが非常に重い。ストラップをつける金具がないので,携行に革ケースは必須である。その形態からアメリカでは,「brick (レンガ)」と呼ばれることもあったようだ。
黒い直方体ボディや,右手でギアを回すことでピントを調整できるなどの点からは,全体的の印象として,「Contax I」に似せようとしたのではないかと感じられる。しかし,Contaxとは違ってシャッターはフォーカルプレーン式ではなく,リーフシャッターをレンズのすぐ後のボディ側に配置している。これによってレンズ交換が可能になり,さらに,レンズがコンパクトになることや連動機構が不要になることなどから,故障も少なくなる効果が期待できただろう。また,シャッターのチャージと巻き上げは連動していない。巻き上げのときにはその都度,ストッパーを解除して巻き上げノブを操作する必要がある。なお,シャッターを切るときにシャッターをチャージするレバーが手にあたりやすく,シャッターの動作を妨げることがあるので,注意が必要である。
ファインダーは,距離計窓とフレーミング窓が独立した「二眼式」になっている。距離計は,よくある二重像合致式ではなく,上下像合致式である。ちょうど,オートフォーカスではない一眼レフカメラによく内蔵されている「スプリットイメージ」のように使うことができる。
アーガスC3の特徴として,レンズ交換が可能なことがあげられる。交換レンズとしては,35mmから135mm (135mmについては,現物を見たことがない)までのものが用意されているようだ。レンズ交換の際には,ヘリコイドと距離計を連動するギアをはずす必要があり,たいへん煩雑である。
アーガスC3は,長く発売が続けられた製品であり,時期によって少しずつ外見などが異なっている。たとえばARGUS C3を7種類に分類しているWebサイト(*1)での分類によれば,この個体は「シャッタースピードが7段階」「COATED CINTAR付き」「チャージレバーが黒」「フィルムメモがWESTON表記」などの特徴から,1946年〜1948年のver.3に該当するもののようである。
アーガスC3のレンズ交換
アーガスC3用のレンズとしては,50mm標準レンズのほかに,35mm広角レンズや100mm望遠レンズなどが用意されている。本体や標準レンズが多数流通していることにくらべると,これらの交換レンズの流通量は決して多くないため,いざ探そうと思ってもなかなか見つからないかもしれない。しかし,人気がないせいか流通している価格はさほど高いものではないと思われる。
●広角レンズ ENNA SANDMAR 35mm F4.5レンズマウントはねじこみ式のもので,鏡胴根元のギアを介して距離計と連動している。レンズ交換の際にはそのギアをはずす必要があり,その手順は以下に示すように煩雑である。
現在,入手している交換レンズについては,以下の各ページを参照されたい。
●標準レンズ ARGUS COATED CINTAR 50mm F3.5
●望遠レンズ ENNA ELE-SANDMAR 100mm F4.5
アーガスC3本体のファインダーの視野は,50oレンズで撮影できる範囲に相当する。レンズ交換をしたときには,別にファインダーを取りつける必要がある。
「ARGUS」銘の外付けファインダーの視野は,前面のカバーをかけないときは35mmレンズで撮影できる範囲に相当するものとなり,全面のカバーをかけると100mmレンズで撮影できる範囲に相当するものとなる。
*1 https://sites.google.com/site/fromthefocalplanetoinfinity/argusc3
ARGUS C3 (from the focal plane to infinity)
※Internet Archives のデータ