ニコン

　初心者やファミリーユースをターゲットにした，簡単操作の一眼レフカメラである。ダイヤルで，5つのイメージプログラムを含んだ，10種類の露出モードを選択できる。マニュアル露出は電子ダイヤル操作で，通常はシャッター速度を，絞りボタンを押しながら回すと，絞りを選択できるようになる。露出補正やAEロックもダイヤル周辺に集中しており，シンプルながら操作系はよく考えられている。
　AF補助光を内蔵しているため，暗いところでもスムースにAFが動作する。Dタイプレンズを使用すれば，3D-6分割マルチパターン測光が可能となる。露出計への機械式(Ai式)連動レバーがないので，CPU内蔵タイプでないレンズではマニュアル露出モードしか使えず，さらに内蔵露出計が動作しない。このあたりは，かなり割り切った仕様となっている。
　内蔵スピードライトはGN15相当(ISO100)で，28mmレンズの画角をカバーしている。また，クォーツデートや，パノラマ途中切り替えも内蔵している。デザイン的には，グリップがやや大きすぎる感じがあるが，実際にはたいへんホールディングがしやすい。また，ここに貼られた赤いゴムは，同時代の最上級モデルF5のデザインを意識しているようだ。
　他メーカーの初心者向けモデルとくらべると，やや重いボディになっている。しかし，初心者向けだからといって，その質感を犠牲にすることもなく，しっかりした長く使えそうな良心的なカメラであるといえるだろう。