ニコン

F-301

Nikon / F-301

 簡単に使えることを目指し,「遊び心・優先」を謳ったモデルで,ニコンの一眼レフとして,はじめてワインダーを内蔵したカメラである。内蔵ワインダーは,最高で2.5コマ/秒の連写が可能である。ただし,巻き戻しは,クランクによる手動である。露出モードは,マニュアルおよび絞り優先AEのほかに,標準と高速(シャッター速度が速めに設定される)の2モードのプログラムAEが用意されている。AE時には,瞬間絞りこみ測光が採用されている。フィルム装填にも,イージーローディングが採用されており,フィルム感度設定もDXコードに対応している。DXコードへの対応は,ニコンの一眼レフカメラとしては,初めてのものである。また,ビープ音で知らせる手ぶれ警告機能(音はオフにすることもできる)など,初心者を意識したカメラとして考えらているといえる。なお,電源は,単4乾電池4本を使用する(オプションで,単3乾電池用の底カバーもあった)。
 オプションとして,マルチコントロールバックMF-19があった。これを使用すると,日付写しこみのほかに,インターバルタイマー撮影などの機能が付加される。
 F-301は,いろいろなオート機能を持ち,初心者にも強力なアピールができたものと思う。しかし,このカメラの発売の半年後には,ほぼ同じデザインで同じ機能をもった,ニコン初のAFシステムカメラ「F-501AF」が登場し,F-301の存在は,あっという間に薄くなっていった。

Nikon F-301, No.2551335
シャッター電子制御縦走り金属幕
シャッター速度B,1〜1/1000スピードライト同調X接点 1/125sec
露出モードプログラムAE (P,P HI),絞り優先AE,マニュアル
露出計TTL中央部重点測光
ファインダー内情報シャッター速度表示
発売1985年