ニコン

ニコマートEL

Nikon / Nikomat EL

 ニコンのカメラではじめて,絞り優先AE機構を内蔵したモデルである。シャッターの制御が機械式ではなく電子式になったため,撮影には基本的に電池が必要である。シャッターの動作に必要な電池は,4SR44酸化銀電池1本である。電池ボックスはミラーの下部にあるため,電池交換のときにはミラーアップさせる必要がある。シャッターは,1/1000秒から4秒の範囲が設定でき,絞り優先AE時には無段階で設定されることになっている。機械制御シャッターとして,B(バルブ)とM90(1/90秒)が設けられており,これらは電池が消耗したときでも使うことができる。
 機械式制御のニコマートFTシリーズと同様に,シャッターは縦走り金属幕のものである。しかし,ニコマートFTシリーズとは異なり,シャッター速度を決めるダイアルはマウント部ではなく,軍艦部に設けられた。そのため,ニコンFなどと同様の感覚で使用できる。

Nikomat EL, No.5110913
シャッター電子制御縦走り金属羽根
シャッター速度B,4〜1/1000フラッシュ同調1/125sec,X接点をもつ
露出モードマニュアル,絞り優先AE
露出計TTL中央部重点測光,ファインダー内でシャッター速度を指針が示す
発売1972年