サモカ

スライドRC-300

SAMOCA / RC-300

 「サモカ」ブランドのスライドプロジェクタである。サモカが会社として存続していたのは1960年ころまでらしいが,手もとにあるカメラ雑誌等においては,サモカの広告は1957年以前にしか見られない。そこに掲載されているスライドプロジェクタは,より古典的なスタイルのもので,ここに紹介するオートマチックタイプのものは見あたらない。そのため,このプロジェクタは,1958年以後の製品だと考えられる。また,もっぱら輸出用として製造されたために,日本国内向けには広告がなされなかったことも想像できる。
 附属していた直進式のスライドマガジンには,マウントされた35mm判スライドを24枚セットできる。有線式リモコンあるいは本体のボタンを押すと,自動的に1コマ送られる。ピント調整も電動式になっており(もちろん,オートフォーカスではなくマニュアルフォーカスである),その操作もリモコンで可能になっている。

SAMOCA SLIDE RC-300, No.
フォーマット35mm判
コマ送り電動式
レンズSAMOCA 80mm F2.8

 日本国内で流通していた主要なカメラ・写真用品であれば,「日本カメラショー」の「カメラ総合カタログ」になんらかの広告を出していることが期待できるが,残念ながら1960年版,1961年版にはすでに,「サモカ」や「三栄産業」の名称は見あたらない。その他「アサヒカメラ年鑑1961」,「写真工業」1960年12月号,「サンケイカメラ」1959年9月号,「アサヒカメラ年鑑1958」にも,「サモカ」や「三栄産業」の名称は見られない。「アサヒカメラ年鑑1957」の広告にはサモカの名前を見ることができるので,1958年ころから「サモカ」として独自に広告を出すような活動をしなくなっていたということになるだろう。
 ところで,「アサヒカメラ年鑑1957」に掲載されていた広告には,スライドプロジェクタ「ロマンスライド」シリーズが掲載されている。つまり,「サモカ」はこのころすでに,スライドプロジェクタの製造販売をおこなっていたことになる。「ロマンスライドF-500」は手差し式のクラシカルなスライドプロジェクタであり,この後に電動式のより近代的なスライドプロジェクタを開発して販売しようとしていたことは,十分に考えられることである。ということで,この「サモカ スライドプロジェクタRC-300」は,1957年よりは後の製品であることは間違いないだろう。
 このあたりは,「撮影日記」もご参照いただきたい。