セコニック

スタジオデラックス L-28c

SEKONIC / Studio Deluxe L-28c

 セコニックは,「米国三大露出計の1つに数えられる」と称するBrockwayの露出計を,1957年から権利を得て生産するようになった。この露出計は,セコニック「スタジオ"S"」という名称で発売された。日本カメラショー「カメラ総合カタログ」などで追跡すると,この露出計は「スタジオ」「スタジオS L-28」などと名称を変更しており,価格の変更を伴うこともある。しかし,機能面あるいはデザイン面などの変更をともなったマイナーモデルチェンジをしているのかどうかは,はっきりわからない。
 はっきりしたモデルチェンジと思われるのは,日本カメラショー「カメラ総合カタログ」vol.24 (1966年)あたりで掲載されるようになった「スタジオデラックス L-28c」である。vol.21 (1965年)には記載がなく,vol.22,vol.23は未入手のため,記載が確認できていないが,おおむね1966年ころの発売であると考えてよいだろう。vol.38 (1970年)までは掲載があり,vol.41 (1971年)では「スタジオデラックス L-28c2」にモデルチェンジされている(vol.39,vol.40は未確認)。
 前モデルの「スタジオS」からの大きな変更点としては,指針にストッパーが設けられたことがある。測光後に,明るさの異なる場所で露出計を読み取るときに,指針が動くことがないので便利である。

SEKONIC Studio Deluxe L-28c, No.6515023
測光種類入射光式(反射光も測光可能)
電源不要
発売1966年ころ

 スタジオデラックスのシリーズでは,受光部に次のようなパーツを取りつけられるようになっている。

●光球
 入射光での測光に使用。この半球状の光球が,前身のBrockway露出計(およびNorwood露出計)における最大の発明だったとのこと。

●白色平板(フォートディスク)
 照度の測定に使用。目盛はフートキャンドル単位(ルーメン/平方フート:ヤード・ポンド法での照度の単位,10.76倍するとルクスの値になる)で読み取れるようになっている。HIGHスライドを挿入したときは,値を32倍する。

●光角度板(フォートグリッド)
 被写体の反射光の測定に使用。指針が示すあたりをダイアルに移すときは,「H」で読み取る。

●HIGH専用スライド
 光球または白色平板での測光で,明るい場所で指針が振り切れてしまうときに使用。このスライドを挿入していないときはダイアルの「L」で読み取り,挿入しているときは「H」で読み取る。

●直読スライド
 フィルム感度とシャッター速度が指定されており(たとえばASA 40,1/60sec),これを挿入して測光するときは,絞りの値を直読できる。