127フィルムを4cm×3cmのフォーマットで使用する,ベスト半裁判(またはベビー判)とよばれるサイズのカメラである。形式的には,本体とレンズボードが蛇腹で結ばれており,底面のボタンを押すことで,スプリングの力によってレンズボードが所定の位置に起立すようになった,スプリングカメラの1つといえる。 六櫻社は,コニカ(コニカミノルタ)の前身にあたるメーカーである。ベビーパールのシリーズは,昭和9年から第二次世界大戦後にかけて発売された小型カメラで,レンズの種類にいくつかのバリエーションがある。また,シャッター速度はB,1/25,1/50,1/100だけであり,シャッターはチャージ動作をすることなく,レリーズレバーを動かすだけで何度でも露光が可能である(エバーセット式)。また,巻き上げは赤窓式であり,ベスト半裁判のため,2つある窓に同じ数字をそれぞれ出すことになる。「カメラレビュー クラシックカメラ専科 No.10」(朝日ソノラマ,1988年)によれば,このカメラは,Hexar Ser.1 50mm F4.5レンズが搭載されていること,背面の赤窓が小判形で開閉式の蓋があることから,昭和10年後期型になるようである。 実際に撮影すると,機構の簡便さにくらべて,レンズはまじめなものが搭載されていることがよくわかる。巻き上げノブは非常に薄いもので,それがこのカメラの外観のスマートさに貢献しているのだが,フィルムの終わりの方に近づくと,巻き上げに苦労するのである。また,127フィルムの入手も容易ではない状況なので,実際に使う機会は,かなりかぎられたものになってくる。しかし,35mm判のコダック「レチナ1a」よりもカメラは小さく,できるだけ使ってやりたいカメラである。
▼127フィルムについて
127フィルムを4cm×3cmのフォーマットで使用する,ベスト半裁判(またはベビー判)とよばれるサイズのカメラである。形式的には,本体とレンズボードが蛇腹で結ばれており,底面のボタンを押すことで,スプリングの力によってレンズボードが所定の位置に起立すようになった,スプリングカメラの1つといえる。
六櫻社は,コニカ(コニカミノルタ)の前身にあたるメーカーである。ベビーパールのシリーズは,昭和9年から第二次世界大戦後にかけて発売された小型カメラで,レンズの種類にいくつかのバリエーションがある。また,シャッター速度はB,1/25,1/50,1/100だけであり,シャッターはチャージ動作をすることなく,レリーズレバーを動かすだけで何度でも露光が可能である(エバーセット式)。また,巻き上げは赤窓式であり,ベスト半裁判のため,2つある窓に同じ数字をそれぞれ出すことになる。「カメラレビュー クラシックカメラ専科 No.10」(朝日ソノラマ,1988年)によれば,このカメラは,Hexar Ser.1 50mm F4.5レンズが搭載されていること,背面の赤窓が小判形で開閉式の蓋があることから,昭和10年後期型になるようである。
実際に撮影すると,機構の簡便さにくらべて,レンズはまじめなものが搭載されていることがよくわかる。巻き上げノブは非常に薄いもので,それがこのカメラの外観のスマートさに貢献しているのだが,フィルムの終わりの方に近づくと,巻き上げに苦労するのである。また,127フィルムの入手も容易ではない状況なので,実際に使う機会は,かなりかぎられたものになってくる。しかし,35mm判のコダック「レチナ1a」よりもカメラは小さく,できるだけ使ってやりたいカメラである。
Baby Pearl, Hexar Ser.1 50mm F4.5, efke R100
▼127フィルムについて