コダック

ブローニー・ターゲットSix-16

Kodak / BROWNIE TARGET Six-16

 「ボックスカメラ」とよばれるタイプの,簡便なカメラである。ピントは固定,シャッター速度も1速のみ(Bはある),絞りも1段だけ(開放F14とF20)で,調整の余地はない。このような規格であるため,日中に感度ISO100のフィルムを使うとおおむね使えそうな露光が得られる。このカメラは,616というロールフィルムを使うが,これはすでに絶版になっており入手できない。ただ,大型で内部にゆとりがあるため,120フィルムのスプールを継ぎ足せば(「ジャンク大帝」の記事も参照(*1)),なんとか撮影することはできる。
 内部のメカニズムは金属の枠に組みこまれているが,外部はボール紙に革(ビニル?)を貼った簡素なものである。縦位置用と横位置用のファインダーがあるが,あくまでも撮影の中心を示す目安に過ぎない。レンズは単玉のせいか,中心部付近は,実用的であると言えるが,周辺部の描写はボケボケである。

 フィルム送りは赤窓式である。120フィルムを代用したときのコマ送りの目安は次の通り。
 1コマ目 2o。
 2コマ目 4○o
 3コマ目 7o。
 4コマ目 9○o
 5コマ目 12o。
 6コマ目 14○o
120フィルムで6コマの撮影が可能である。

*1 http://taitei.awane-photo.com/tech/file0025/

Kodak BROWNIE TARGET Six-16, Body No. ---
撮影レンズ無銘 単玉 焦点距離不明 開放値 約F14
シャッター速度Bおよび固定 (約1/50sec) 絞り1段 (開放F14とF20)
ピント調節固定
使用フィルム616フィルム使用 画面サイズ65mm×105mm
発売1946年

Kodak BROWNIE TARGET Six-16, NEOPAN SS

 ボックスカメラは,海外の通販サイト等でよく見かけることができる。この種のカメラが,たくさん売れていたことを物語っているのだろう。一方,日本国内ではこの種のカメラは,あまり流行しなかったようだ。そのせいか,海外での価格にくらべると,日本国内での価格は,不当に高価に感じられることがある。戦後のコダック製品であるこの機種はとくに安価な印象があり,購入時に表示されていた価格は$10未満のものであった。なお,送料等を勘案すればもう少し高いものになるわけだが,このカメラは,目的とする別のカメラのついでに購入しているので,送料等は気にならない。