第6展示室(6)

絶版ロールフィルムを使うカメラ

cameras for discontinued rollfilms

多くの規格のフィルムが登場し,消えていった

 現在使われているロールフィルムの大部分は,パトローネ入りの35mmフィルム(135)であろう。ついで,中判カメラ用の裏紙付きロールフィルム(120)が多く使われているものと思う。これらは長い間使われてきて,事実上の「標準」になっているといえる。このおかげで,50年以上前のカメラでも,これらのフィルムを使うものであれば,「現代」の品質の写真を得ることができるようになっている。
 市場にあらわれたロールフィルムは,これだけではない。大きいものや小さいものなど,さまざまなものがあったのだ。密着焼きが主流だった時代には,より大きいプリントが得られることをセールスポイントとして,より大きなフィルムとそれを使うカメラが登場し,カメラを小型化するためには,より小さいフィルムとそれを使うカメラが登場した。
 それらのカメラは,規格にあったフィルムがなくなった今,簡単には使うことはできなくなっている。しかし,現在流通しているフィルムから切り出したり,カメラに少し手を加えたりして,それらのカメラを実際に使っている人たちは,多く存在する。なお,127フィルムについては東欧などで生産されているようだが,日本国内の量販店に常時流通しているような状態ではなく,一般的には入手難といえる状態のため,ここで扱うことにする。

620ロールフィルム

 現在,中判フィルムとして流通している120フィルムとほぼ同じフィルムが,120よりも細いスプールに巻かれており,「細軸ブローニー」とよばれることもある。120と620のどちらも使えるカメラもあるようだが,コンパクトにつくられたカメラなどは,120フィルムはそのままでは使えない。現在,620フィルムは製造されていないため,620フィルム用カメラを使う人は,120フィルムを620フィルムのスプールに巻きかえたり,120フィルムのスプールを削ったりするなどの工夫をしているようだ。

コダック ブローニー・ホークアイフラッシュモデル

Kodak / Brownie HAWKEYE flash model


616ロールフィルム

 現在,中判フィルムとして流通している120フィルムよりもさらに幅の広いロールフィルムである。標準的な画面サイズは,およそ6.5cm×11cmである。このサイズのフィルムとしては116というものもあるが,616はスプールが細いタイプのものである。

コダック ブローニー・ターゲットSix-16

Kodak / Brownie Target Six-16


127ロールフィルム

 127フィルムは,ベストフィルムともよばれる。4cm×6.5cm判(ベスト判)で8枚撮りが標準であるが,4cm×4cm判(12枚撮り)や4cm×3cm判(ベスト半裁判,16枚撮り)などとしても使用される。裏紙つきで,120フィルムにくらべて幅が狭く,スプールも細いものである。
 2009年現在,コダックやフジなど,日本国内で入手が容易なブランドからは,127フィルムは発売されていない。東京や大阪のクラシックカメラ専門店では,ときどき東欧などから輸入されたフィルムが売られているようなので,見つけたら買っておくとよいだろう。以前よく見かけた「efke」ブランドのフィルムは,生産が終了しているようである。


六櫻社 パーレット(昭和10年後期)

Rokuohsha / Baby Pearlette

六櫻社 ベビー・パール

Rokuohsha / Baby Pearl


ハーバートジョージ ドナルドダックカメラ

Herbert George / Donald Duck camera

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カラートカセット

アグフアカラート3.5

AGFA / Karat3.5


ボルタフィルム

 かつて,おもちゃカメラによく利用された規格のフィルムである。35mm幅のフィルムが,裏紙とともにスプール(軸)に巻き取られたもので,24mm×36mm判(10枚撮り)または24mm×24mm判(12枚撮り)で使用される。
 日本国内では,ライトパンフィルムで有名な愛光商会から比較的近年まで供給されてきたが,現在,この規格のフィルムは市販されていない。120フィルムの裏紙と35mmフィルムを組み合わせて,フィルムを自作している人もあるようだ。なお,この画像のライトパンカラーの使用期限は,1982年9月になっている。

ホビージュニアカメラ

Daishin Seiki / HOBBY JUNIOR camera

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