コダック

スタイルエリート

Kodak / Styl'elite pocket camera

 フラッシュを内蔵した,横型の110カメラである。
 このカメラにおける最大の問題点は,カメラの名称である。ここでは「スタイルエリート」と書いてみたが,実際にどう読めばよいのか,わからない。styleという単語とeliteという単語が,アポストロフィで連結されているのである。
 辞書を参照すれば,styleには,「流儀」「様式」「型」「流行」という意味のほかに,「肩書」「優雅な暮らし」「品位」などの意味があることがわかる。eliteには,「選り抜きの人々」(いわゆる「エリート層」)という意味と「活字の大きさ」の意味があることがわかる。styleとeliteをそのまま続ければ,「エリート層の流行」のような意味をあらわしたいのかな?と考えることができる。たぶん,「活字の大きさ」の意味は,ここでは関係ないと思う。
 一方,ここで無理やりにliteをlightと同音とみなして,「流行の明かり」の意味だと解釈すれば,「フラッシュを内蔵した最新のカメラ」という形態をあらわそうとした名前だと考えることもできる。もし,そうだとすれば,これは「スタイライト」と読みたくなる。
 もっとも,アポストロフィの位置から考えれば,Styleとeliteでわけるのが無理がなく,Styleとliteにわけることには無理がある。

 ただし,固定焦点,固定露出で手動巻き上げで,カメラとして特別な機能は用意されていない。

Kodak Styl'elite pocket camera, No.
撮影レンズ25mm F8
シャッター速度1/125, 1/210
絞り固定
ピント調節固定
使用フィルム110カートリッジ
発売1979年

 このモデルは,日本カメラショー「カメラ総合カタログ」や「写真用品ショー」カタログには記載がなく,発売時期等を確認できないが,「Kodak classics」というWebサイト(*1)では1979年となっている。上記のスペックも,このサイトの記載内容にもとづいている。
 このカメラの裏面には,「永代機械工業(株)富士宮工場新築記念 1983年5月」という文字が記されていた。発売時期については整合しているし,1979年に発売された後の1983年にもまだ現行機種だった,ということのようだ。


*1 Kodak Styl'elite pocket (Kodak classics)