フジ

フォトラマFP-UL

FUJI / FOTORAMA FP-UL

 証明写真専用インスタントカメラ。証明写真専用カメラのため,ピント位置は,1.2mに固定されている。ピントが合っているかどうかは,ファインダー下部のフォーカスインジケータで確認できる。
 シャッター速度は1/60秒と1/125秒の2段階,絞りはF8〜F90が設定できる。
 内蔵フラッシュを使って撮影するときは,フラッシュのスイッチをONにする。内蔵フラッシュを使わずに撮影するときは,フラッシュのスイッチをEXT.にする。EXT.にしたときでも電源は完全にOFFにはならないので,使わないときはスイッチをOFFにする。
 2つのレンズをそなえており,ビザ用の大判写真を2枚撮影することも可能である。中判写真や小判写真は,レンズにコンバータCあるいはコンバータRを装着して撮影する。フィルムホルダPA-45は,4×5判のフィルムを使用するためのもので,一般的な4×5判カメラにも使用可能である。

FUJI FOTORAMA FP-UL, Body No. ---
撮影レンズFUJINON 120mm F8 (4群4枚)×2個
シャッター速度1/60,1/125 手動設定
絞りF8〜F90 手動設定
ピント調節1.2mに固定
内蔵フラッシュGN10
使用フィルムフジインスタントホルダ PA-45,PA-145を使用。
PA-45:FP-100C45, FP-500B45, FP-3000B45など(4×5判)
PA-145:FP-100C, FP-400B, FP-3000Bなど
発売1990年

 PA-45を使用すると,55mm×89mmのビザ用写真を2コマ撮影することができる。PA-45を取りつけるには,フィルムホルダ取りつけ部のスライド枠を「45」側にセットする。このとき,PA-145は装着できなくなる。

 PA-145とコンバータCとを使うと,46mm×73mmの新パスポート用写真・受験用写真を2コマ撮影することができる。
 PA-145とコンバータRとを使うと,46mm×73mmだが人物を縮小した運転免許用写真を2コマ撮影することができる。

 このとき,フィルムホルダはPA-45を使用してもよい(捨てる部分が多く,無駄が大きいだけである)。PA-145を取りつけるには,フィルムホルダ取りつけ部のスライド枠を「145」側にセットする。このとき,PA-45は装着できなくなる。また,PA-145を使用するときは,レンズにコンバータCまたはコンバータRを装着しないと,シャッターが切れないようになっている。

 1991年ころの本体価格は,164,000円。コンバータRが19,000円,コンバータCが12,700円,PA-45が28,000円,PA-145が14,800円。これらすべてと,影消しストロボ,ストロボスタンドなどが含まれたシステムセットが216,000円となっている。
 インスタントフィルムによる証明写真の需要も減り,機械としての精密さもあまり感じられず,発売された数も少なくないので珍しさもなく,使い道の限定されたこのような機種は,いまとなってはほとんど値段がつかないのではないだろうか。