オリンパス

ペンEM

OLYMPUS / PEN EM

 EMの特徴は,その動作の大半が電動化されていることにある。最大の特徴は,オリンパスペンシリーズで唯一の,電子制御シャッターを採用していることだ。電子制御シャッターの採用は,オリンパスペンシリーズとしてはじめてであるだけでなく,カメラとして世界で初めてであるとのこと。それによって,最長30秒の長時間露光も可能な高機能を誇るカメラとして仕上がっている。
 また,巻き上げも電動化されている。そのためカメラの動作には,当時よく使われていた小型の水銀電池ではなく,単3乾電池2本を必要とする。その結果,オリンパスペンシリーズとしては,許しがたいくらいの大きくて重いボディになってしまった。
 オリンパスペンEMを,中古カメラ店の店頭で見かけることは多くない。オリンパスのウェブサイトでの記述によれば,「当時の生産技術では解決が難しい多くの問題が発生し、残念ながら1年余りで生産を終える。」(*1)とある。中古カメラ店等でも,「故障しやすい」「動くものを見かけることは少ない」という評価を耳にすることが多く,実際に流通している台数は,ごく限られたものになるのだろう。ここに紹介する1台も,ご多分にもれず,現在,故障中である。


OLYMPUS-PEN EM, No.136206
撮影レンズF.ZUIKO 35mm F2
シャッター速度B, 30sec〜1/500sec
絞り2〜16
露出絞り優先AE
ピント調節目測式 0.9m〜∞
電源単3乾電池 2本 発売1965年



*1 http://www.olympus.co.jp/jp/corc/history/camera/pen.cfm