オリンパス

ペンD3

OLYMPUS / PEN D3

 Dシリーズは,「ペン」の高性能機とされる。シャッター速度の範囲も比較的広くとられ,レンズは大口径のものが装着されており,目測でピント調整が可能である。露出計も内蔵され,まさに高級カメラをコンパクトに凝縮したカメラと言ってあげたい。ボディは「ペン」ならではの非常にこじんまりとしたものだが,手に持つとずしりと重く高級感すら感じる。
 D3の露出計には,セレン光電池よりも低照度に強い,CdSを使用したものが用いられた。そのために,電池が必要であることは,「ペン」としては短所に数えてもいいだろう。また,電池を装填する場所は,巻き取り軸の底である。小型化への執念とも思え,感動せざるを得ない。


OLYMPUS-PEN D3, No.301712
撮影レンズF.ZUIKO 32mm F1.7
シャッター速度B, 1/8sec〜1/500sec
絞り1.7〜16
露出計外光式CdS露出計内蔵,LV直読式(シャッター速度,絞りに連動しない)
ピント調節目測式 0.85m〜∞
発売1965年

OLYMPUS PEN D3, F.ZUIKO 32mm F1.7, GOLD100

とにかく小型なので,いつも携帯しておくには適している。目測式のため,近距離の撮影ではピントをはずしやすいが,ピントがあったときには実にシャープな画像が得られるカメラである。ハーフサイズというデメリットを補えるだけのレンズであると言いたい。