ニコン

ニコノスIV−A

Nikon / NIKONOS IV-A

 ニコノスは,水深50mまでの撮影ができる「水中カメラ」として有名なシリーズである。「ニコノスI」から「ニコノスIII」までは,フランスのスピロテクニック社が開発したカメラの基本設計を引き継いだものであるとされており,「ニコノスIV-A」以降は,まったく新しいものになっている。
 モデル名についた「A」は,おそらくAE撮影が可能なことを示しているのだろう。「ニコノスIV-A」は,「ニコノスIII」までとは異なり,一般的な縦走りフォーカルプレンシャッターを搭載しており,電子制御式で絞り優先AEでの撮影が可能になった。「ニコノスIII」までは,露出計も内蔵されていなかったので,いきなり,TTL測光でAEのできる,近代的カメラに生まれ変わったということもできるだろう。ところで,「ニコノスIV-A」の露出モードは,絞り優先AEのみである。このあとに発売された「ニコノスV」は,絞り優先AEだけでなくマニュアル露出が可能になっていることから,市場での「ニコノスIV-A」の価格は,比較的安価なものになっているようだ。防水性能を維持するために必要な「Oリングセット」は2005年末ころまでは供給されていた(2005年11月には取り寄せ可能であった)が,翌年1月には販売が終了したようである。これさえ確保できていれば,まだまだ十分に実用することができるカメラであるといえる。
 陸上でこのカメラを使うと,その密閉度が高いことと,重い頑丈なボディであることのせいか,シャッターが静かで,ショックが少なく感じられる。


NIKONOS IV-A, No.4188251
シャッター速度B, 1/30〜1/1000 露出モード絞り優先AE,メカニカル1/90
レンズマウントニコノス専用マウント
ピント調節目測式
発売1980年