ケンコー

フィッシュアイコンバージョンレンズ

KENKO / FISH-EYE conversion lens

 レンズの前に取りつけることで,魚眼レンズとして使えるようになるフロントコンバージョンレンズである。35mm判(ライカ判)カメラで使用するとき,50mmレンズに取りつければ,180°の範囲を円形の像として写す円周魚眼レンズとして使えるようになる。また,100mmレンズに取りつければ,対角線画角180°の対角線魚眼レンズとして使えるようになる。また,「写真用品総合カタログ」No.4(1974年版)では,「アダプタリングを変えれば35mmカメラから6×6,4×5の大型カメラや8mmカメラにもご使用できます」と謳われている。アダプタリングには,29.5mmから67mmまで,さらにハッセルブラッド用なども用意されている。
 このレンズは,「写真用品総合カタログ」No.2(1972年版)には掲載されていない。また,No.4(1974年版)では「新製品」として扱われていない。No.3(1973年版)を持っていないので確認できないが,No.3のときに「新製品」として扱われていたものと思われる。
 周辺部の画像の品質は必ずしも十分なものではなく,実用性からいえば少々疑問のあるレンズである。しかしながら,ケースつき15,000円という価格(アダプタリングは別)は,当時発売されていた魚眼レンズ(例:SMC FISHEYE TAKUMAR 17mm F4が37,500円,SIGMA 16mm F2.8が43,000円など 「カメラ総合カタログ」Vol.50,1974年による)にくらべてきわめて安価なので,魚眼レンズを手軽に体験できるという意味で存在価値のたいへん大きなレンズだっただろう。

KENKO FISH-EYE conversion lens, No.78730
レンズ構成6群9枚
マウント主レンズのフィルタ枠にとりつける(49mm)。
発売1973年?

MINOLTA X-7, MD50mm F2, KENKO FISH-EYE, GOLD100