リコー

XR-500

RICOH / XR-500

 RICOH XR-500は,「リコーのサンキュッパ」という通称も,よく知られている。「サンキュッパ」とは,価格が39,800円であることを意味し,これは当時のTTL開放測光一眼レフカメラとしては,驚異的に安価なものであった。
 日本カメラショー「カメラ総合カタログ」では,1979年版から掲載が見られる。vol.64 (1979年)に掲載されている他社の一眼レフカメラで,もっとも安価なモデルの価格を見てみよう。
 PENTAX MXは,50mm F1.7つきで67,500円,OLYMPUS OM-1Nは50mm F1.8つきで68,500円,Canon AE-1は50mm F1.8つきで71,000円,Nikon FMは50mm F1.8つきで83,000円,MINOLTA XG-Eは45mm F2つきで65,800円である。
 これらに対してRICOH XR-500は,ボディ28,300円,50mm F2レンズ9,000円,ケース2,500円で,この合計が39,800円となる。RICOH XR-500はマニュアル露出専用,シャッター速度の範囲は1/8秒〜1/500秒,セットのレンズの明るさはF2で,他社の一眼レフカメラにくらべてスペックが低いものであるが,4割〜5割くらいもの低価格が実現されている。
 YASHICA FR-II (50mm F1.9)の55,000円にくらべても大幅に安価であり,価格で競合できそうなものはFUJICA ST605II (55mm F2.2,スクリューマウント)の43,500円くらいである。

 もし,RICOH XR-500が「安かろう,悪かろう」の製品であったなら,いかに低価格であろうとも,ヒット商品になることはなかっただろう。
 RICOH XR-500のスペックはたしかに低いものであるが,一般的な撮影にとって不十分なものであろうか?1/1000秒より速いシャッター速度を使う機会がどれくらいあるだろうか。手持ち撮影であれば,1/8秒よりも長時間の露光を使うことはないだろう。夜景を撮りたいならば,三脚に据えてB (バルブ)を使えばよい。50oレンズとしてはF2はかなり暗いものであるが,ファインダーを見るのに困るような暗さではない。むしろ,F2.8という高級なズームレンズよりも1段分明るいレンズである。当然ながら,巻き上げとシャッターチャージは連動しているし,絞りやシャッター速度に連動するTTL露出計も内蔵されている。
 オートフォーカスやAE機能こそないが,きれいな写真を撮るための機能はきちんと備えているのである。

RICOH XR-500, No.37 160125
シャッター電子制御縦走り金属幕
シャッター速度B,1/8〜1/500スピードライト同調1/60sec,X
露出計TTL中央重点平均測光
マウントK
発売1978年9月