リコー

XR-X

RICOH / XR-X

 リコーが発売する一眼レフカメラとしてはじめてプログラムAEに対応したRICOH XR-Pの後継機にあたり,リコーが発売する一眼レフカメラとしてはじめて電動ワインダーを内蔵した機種である。レンズマウントはKマウントと同じ形状のものであるが,プログラムAEに関する電気接点はPENTAX Aシリーズのものとは異なる,独自のものである。そのため,プログラムAEに関しては,互換性がない。
 このカメラは,プログラムAE,絞り優先AE,マニュアル露出が選択できる,マルチモードAE機である。RIKENON Pレンズ使用時には,レンズの絞りリングをPにすることでプログラムAEモードに,そのほかの状態では絞り優先AEモードやマニュアル露出モードが利用できる。また,テレビ撮影モードがあり,「CRT」「NTSC」「PAL」が選択できる。そのほか,インターバル撮影,スポット測光,オートブラケティングなど,多機能なカメラになっている。
 日本カメラショー「カメラ総合カタログ」では,vol.91 (1988年)からvol.98 (1990年)まで掲載がある。

RICOH XR-X, No.25 141929
シャッター電子制御縦走り金属幕
シャッター速度B,30〜1/2000 (AE),16〜1/2000 (マニュアル)
露出計TTL中央重点平均測光,スポット測光,自動逆光補正
マウントRK (Kマウント互換)
電源単4型電池 4本
発売1987年11月

 このカメラは,プログラムAE,絞り優先AE,マニュアル露出が選択できる,マルチモードAE機である。はじめての電源投入時には,上面の液晶ディスプレイに「AUTO」と表示されているので,すぐにAE撮影が可能となる。しかし,カメラには,そのほかにモード切り替えのボタンやレバーが見当たらない。そのため,マニュアル露出モードに切りかえるにはどうすればよいのか,わからない。シャッターレリーズボタンのすぐ横に「上」「下」のボタンがあるので,これがシャッター速度を選択するためのものかと思うが,これを押してもなにもかわらない。
 答えは,その上下ボタンを「長押し」することである。
 「AUTO」の状態で「下」ボタンを長押しすれば「2000」が表示され,マニュアル露出モードでシャッター速度が1/2000秒になったことが示される。以後,「下」を押すたびにシャッター速度が遅くなり,1/2秒の次は「L1」が表示され,これは1秒をあらわす。さらに押していくと「L16」が表示され,これは16秒をあらわす。その次は「bulb」,その次は「TV」が表示され,テレビ撮影モードになる。さらに「下」を押すと,「AUTO」にもどる。
 「AUTO」の状態で「上」ボタンを長押しすると,「TV」が表示され,テレビ撮影モードになる。以後,「bulb」「L16」から順次,速いシャッター速度に切りかわっていき,1/2000秒のつぎは「AUTO」にもどる。
 つまり,「AUTO」を含んだシャッター速度ダイアルと同じ構造である。「AUTO」から動かすときは長押しが必要なのは,ダイアルを「AUTO」から動かすときにロックがかかっていることと同じはたらきをねらったものであろう。