ニコン

F-501

Nikon / F-501

 F-501は,ニコンから発売された最初のAF一眼レフカメラである。こう書くと「F3AFがあるじゃないか」という指摘が出るだろう。たしかにF3AFは,AF機能をもった一眼レフカメラとして,F-501より2年も早く発売されていたことは事実である。しかしF3AFには,F-501以後に発売されたAFニッコールレンズを使用することができないという制約があり,「AF一眼レフカメラのシステムを構築した」とまでは言い難いものであった。ところで,F-501(以降)用のAFニッコールレンズをF3AFで使用することはできないが,F3AF用のAFニッコールレンズをF-501でAF用レンズとして使用することは可能だった。旧来のMFレンズだけでなく,このような特殊な仕様のレンズについても互換性を保つところに「いかにもニコン様らしい」姿勢を感じた方も少なくなかったことだろう。しかし,F-501の次に発売されたエントリーモデルF-401や上位モデルF-801では,F3AF用のAFニッコールレンズをAF用レンズとして使用することができず,F3AF用に準じたAFシステムは登場しないことが明白になったと感じられたことだろう。
 F-501は一見してわかるように,F-301と非常によく似ている。F-501の電源は単3乾電池4本で,そのため単4乾電池4本を電源とするF-301にくらべて,底蓋が少々厚くなっている。巻き上げは電動式だが,巻き戻しはクランクによる手動式になっており,その分だけ消費電力も少ないと言うことができるだろうか。
 露出モードは,マニュアルのほかに絞り優先AEとプログラムAEが使用できる。この後のニコンのAF一眼レフカメラはいずれもマルチモードAE機であるが,MFレンズ使用時にはマニュアルと絞り優先AEしか使えなくなっている。F-501はMFレンズでプログラムAEが使える数少ない機種の1つという面でも,貴重な存在といえる。
 F-501最大の特徴であるAF機能であるが,動きは決して速くない。しかしそのせいか,ピントに迷って,ピントリングが行ったり来たりするようなことがないように感じる。ピントが合わせられなくなったら,途中でやめてしまうような動きを示す。現代の感覚ではAF機構に物足りなさを感じるかもしれないが,間違いなく当時は画期的な機構だったはずだ。また,コンパクトなAE機として,まだまだ使い続けることができるカメラでもある。AF機能を使わないならF-301でも十分かもしれないが,F-301よりも機能強化された点としてはAF機能のほかに,ファインダースクリーンが交換可能な点がある。ファインダースクリーンが入手できるなら,ここも魅力を感じるポイントになるだろう。
 オプション品としては,マルチコントロールバックMF-19が特筆できるだろう。これを利用することで,インターバルタイマー撮影(一定時間間隔で露光をおこなう)やキャッチインフォーカス撮影(被写体が合焦位置に入ったら露光をおこなう)などが可能になる。また,同時期に発売されたSB-20を使用すれば,フラッシュのTTL調光撮影も可能である。

Nikon F-501, No.2551335
シャッター電子制御縦走り金属幕
シャッター速度B,1〜1/2000スピードライト同調X接点 1/125sec
露出モードプログラムAE (P,P HI,P DUAL),絞り優先AE,マニュアル
露出計TTL中央部重点測光
ファインダー内情報シャッター速度表示
発売1986年