ニコン

EM

Nikon / EM

 小型軽量なカメラが要望される中,FMFE系列よりもさらに小型軽量で安価な機種として登場したカメラである。機能的には絞り優先AE専用で,AEロックもないなど,割り切った面もあるが,ボディデザインはジウジアーロも参加するなど,けっこう力の入った製品になっている。
 小型軽量なボディにあわせて,「ニコンレンズ シリーズE」という,やはり小型軽量で安価なレンズが発売された。標準レンズAi NIKKOR 50mm F1.8Sもそのようなレンズの1つで,いわゆる「パンケーキレンズ」に匹敵する薄さを誇り,人気が高い。
 AEロックもなく,露出補正も逆光用の+2EVがあるだけである。しかし,フィルム感度設定を利用すれば,思い通りの補正が可能になる。露出計の表示は,アナログメーターによりシャッター速度を表示するもので,非常に読み取りやすい。露出オーバーや,手ぶれ警告で「ピー」と音が出る点が,このカメラのターゲットが初心者であることを示しているようだ。

Nikon EM, No.7070405
シャッター電子制御縦走り金属幕
シャッター速度B,M(1/90),A(1〜1/1000)スピードライト同調X接点 1/90sec
露出モード絞り優先AE,露出補正ボタンで+2EVの補正
露出計TTL中央部重点測光
ファインダー内情報シャッター速度を表示するアナログメーター
発売1980年 (海外では1979年に発売)