ヤシカ

ヤシカフレックスC

Yashica / Yashicaflex C

 ヤシカは,マミヤとならび,もっとも最後まで二眼レフカメラを製造し,販売してきた日本のメーカーである。

 1950年代には,多くのメーカーから,さまざまな名前の二眼レフカメラが発売されていた。それらの二眼レフカメラは,フジカフレックスなどの一部を除くと,当時のカメラとしては低価格であることを大きな特徴としていた。二眼レフカメラは,カメラの普及という大きな貢献を果たしてきたのである。
 二眼レフカメラをその機構で分類するとすれば,着眼点はいくつかある。普及品としての国産二眼レフカメラは,そのピント合わせの機構から大きく2つに分けることがもっともわかりやすいだろう。
 1つは,戦後のリコーフレックスIIIにつづく,前玉回転式のピント調節機構をもつグループである。
 もう1つは,ローライコードを模倣したような,レンズボード繰り出し式のピント調節機構をもつグループである。
 レンズボード繰り出し式のカメラは,前玉回転式のカメラよりも,高級機であった。ヤシカは,前玉回転式のカメラなみの価格で,レンズボード繰り出し式のカメラを発売し,たいへんな人気になったようである。

 なお,このカメラの貼り革は水色であるが,発売当時にこのようなカラーバリエーションが用意されていたわけではない。このカメラを入手したときには,貼り革がボロボロの状態であったため,このような色の革(スエード)を貼ってみたものである。

Yashicaflex C, Body No.379397
撮影レンズYashikor 80mm F3.5 ビューレンズTri-Lausar 80mm F3.5
シャッター速度B, 1, 1/2, 1/5, 1/10, 1/25, 1/50, 1/100, 1/300 X接点
ピント調節側面のノブによるレンズボード繰り出し式,最短撮影距離1m
フィルム送りノブ巻き上げ,スタートマーク式自動巻き止め
画面サイズ6cm×6cm 発売1955年
Yashicaflex C, Yashikor 80mm F3.5, KODAK PRO160
Yashicaflex C, Yashikor 80mm F3.5, KODAK PRO160

ピントのあったところは細やかで明瞭な描写に見えるが,ピントがあっていない部分のボケ方がレトロな印象を与える。これは,3枚玉レンズによく見られる特徴とも言える。